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夢の新発電所”SO.LA.MI♪”誕生!!

 
 今春、さがみこベリーガーデン(SBG)の片隅に新しい発電所が誕生しました。
 生活クラブ生協と共同開発したふたつの小さなソーラーシェアリング発電所です。名付けて“SO・LA・MI♪”
 一見既設のソ―ラーシェアリングと何も変わっていないように見えますが、実は小さなからだに未来につながる大きな夢が詰め込まれた発電所なのです。

 ひとつ(以下、K発電所と呼称)は北西奥の森の陰にひっそりと建てられています。(※トップ画像)
 ここで発電したでんきは全量生活クラブエナジーが買い取り、生活クラブ神奈川のあやせ総合センターに送られます。パネルの下ではワイン用ブドウの試験栽培が始まりました。ソーラーシェアリングのパネルの下でワイン用ブドウを栽培するのは全国でもほとんど例がありません。まずは美味しいワインができるブドウに育つかどうかの実証実験です。
 
 もうひとつ(以下、J発電所と呼称)はビニールハウスのとなりに建てられたもので、発電したでんきはハウス内の冷凍庫や冷蔵庫、農機具の充電に使われ、余剰電力はK発電所同様生活クラブエナジー経由あやせ総合センターに送られて使われます。パネルの下ではSBGの他の施設同様ブルーベリーの養液ポット栽培がおこなわれています。
 
 新しく作られたこのふたつの発電所は「非FIT・オフサイトコーポレートPPA」と呼ばれる方式でつくられています。何やらムズカシイ専門用語が並んでいますが、簡単にいうと、電力固定価格買取制度(FIT)によらないで、企業や団体が発電事業者と直接契約(Power Purchase Agreement契約)を結んで外部から再エネ電気を調達するしくみです。

 あの3・11、東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、再エネを普及させる目的で国により作られたのがFIT制度です。太陽光発電の場合、当初1kWあたりの単価が42円(家庭用は48円)という高い買取り価格か設定されましたが、普及が進むに従って年々買取単価の引き下げが行われてきました。一方、需要家の電気料金は年々上昇し続けていますので、いまや、作ったでんきをFIT制度を使って売電するより自ら使う方がお得な時代になりました。
 これまでSBGに設置してきたソーラーシェアリングのでんきはすべてFIT制度を使って売電してきましたが、今回のふたつの発電所の建設を契機に、FITから非FITに方向転換することになりました。
 
 私たちはこのふたつの小さな発電所(41kW)で諸々の検証をしたうえで、生活クラブと次のステップでもっと大規模なものを本格展開することで合意しています。まずは、来年度、現在の全ての発電所と同規模(約300kW)のソーラーシェアリング設備を、SBG内の南側の農地につくり、SBGと一体運営することになりました。パネルの下ではシャインマスカットなど生食用のブドウやキウイを栽培する予定です。

 夏はブルーベリー、秋にブドウ、晩秋にはキウイ! 花の受粉を手伝うミツバチたち!いいですね~。夢のソーラー果樹園 !!

 そして、でんきは?
 ここで作られるでんきは生活クラブエナジーを介して生活クラブの組合員のみなさんにお届けすることになっています。通常、コーポレートPPAの場合、でんきの需要先を特定したうえ電力小売会社を介して売電しますが、その場合は東京都や神奈川県から設備建設に対する補助金が出ることになっています。但し、今回のケースのようにでんきの需要先が生活クラブの多数の組合員のご家庭を対象にした場合、上記の助成対象になりません。
 助成金なしで事業を成り立たせようとした場合、ただでさえ割高のソーラーシェアリングは採算上厳しくなるので、色々な工夫が必要です。
 私たちの場合、寄付金やクラウドファンディングなどで幅広い共感者を募り、それを実現しようと思っています。
 大きなチャレンジですが、もしこれが実現すれば、全国に誇るモデルとなるでしょう。
 
 再エネ利用の促進に取り組む生活クラブでは、現在、生活クラブでんき拡大にむけてスイッチングキャンペーンを実施中です。私たちもこの共同事業の実現をテコに、生活クラブでんきの契約者拡大にも全面協力してしっかり結果が残せるようひと役買いたいと思っています。

                 (2024年6月15日 山川陽一)

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