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離れていても見守っています(1)

9月になったとたん急に涼しくなり、季節の変化を感じます。ブルーベリーは、収穫の季節は終わりましたが、まだ葉っぱ青々とし、盛んに光合成を行っています。来年の収穫に向けて、栄養をたくさん蓄えてもらわなければなりません。カミキリムシをはじめ、虫たちもまだまだ狙ってきますので、病害虫の駆除も欠かせません。その他、草刈り、設備の見廻り、肥料の調整、来年のオープンに向けての準備など、やることは目白押しです。
少しは楽をしたい、トラブルを早く発見したい、との思いからSAGAMICO BERRY GARDENでは、遠隔監視を行っています。何を監視しているのかというと、①養液システムの稼働状況、②温度や湿度などの環境情報、③太陽光発電設備の稼働状況、の3つを見ています。今回は、そんな遠方監視について紹介したいと思います。

① 養液システムの稼働状況監視
私たちはブルーベリーを養液栽培しているので、この設備がきちんと稼働させることがとても重要です。養液システムは、貯水タンクからポンプで水をくみ上げ、それと肥料を混合しそれぞれのポットに潅水しており、これらの制御をコントローラで自動的に行っています。
この設備の稼働状況は、ポンプ及びコントローラの消費電力を監視する事によって行っています。すなわち、設備が順調に稼働していれば、設定した時間になるとポンプが稼働するので、消費電力が増え、その電力パターンから、設備の稼働状況が判断できます。図式化すると、下のようになっています。

養液システム図

設備で使う電力は、電力会社が設置しているスマートメータ(デジタル電力計)で計測されます。計測されたデータは、電力会社へ送信され、電気料金の計算に使われますが、これとは別に、Bルートというチャンネルを使って、積算電力(kWh)や瞬時電力(W)のデータが送信されています。通常、電力計のデータは30分間隔で計測されますが、Bルートのデータは、最短で数秒の間隔で取得でき、ほぼリアルタイムでデータを見ることができるのが大きな特徴です。
Bルートを使うためには、Wi-SUNという規格の無線ルータと収集したデータを表示する仕組みが必要です。私たちはIIJ社が提供しているPMS(Power Metering System)を使用しています。このシステムは、クラウド上にデータが蓄積されるので、インターネットに接続できる環境であれば、スマフォやパソコンから簡単にアクセスできます。
こんな感じでデータを見ることができます。

遠隔監視_Bルートreal time

養液の配管は5つに分かれており、それぞれ8分間運転するように設定していますが、上記のデータから設定した通りに稼働していることが分かります。また、配管が詰まったり、水漏れが発生すると、消費電力のパターンがいつもと違ってくるので、異常を発見できます。
一日の終わりには、その日の全体のデータを見ます。これを見ると、朝・昼・晩3回動いていることが確認できます。これで安心して寝ることができます。

遠隔監視_Bルート時間別

② 環境情報の観測
次は、環境情報の観測ですが、少し長くなってしまったので、次回お話ししたいと思います。

小林孝(2021.9.4)

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