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ミドリゾウリムシ的生き方

ミドリゾウリムシという生き物をご存じでしょうか。
よく似た名前で「ミドリムシ」(別名ユーグレナ)がいますが、こちらは藻類の仲間で、別の生き物です。
一方ミドリゾウリムシは、池などによくいるゾウリムシの親戚で、細胞内にクロレラが共生しているため、クロレラの葉緑素で緑色になっています。ミドリムシは、細胞の中に直に葉緑体が存在しますが、ミドリゾウリムシは自分の細胞の中に、他の生物であるクロレラを取り込んでおり、立派な動物です。クロレラにとってみれば、ミドリゾウリムシは光のある所へ連れて行ってくれるトレーラハウスであり、ミドリゾウリムシの排泄するアンモニアやCO2を提供してくれる大家さんです。他方、ミドリゾウリムシにとってクロレラは、光合成によって作った栄養や酸素を家賃代わりにもらっているといことでしょうか。光さえあれば、酸素とCO2を交換し、排泄物も循環できるので、密閉された容器の中でも長期間生きていられます。
他の生物を自分の細胞に取り込んで一緒に生きていく現象を細胞内共生と言い、生物の進化にとても重要な働きをしています。私たちの細胞にあるミトコンドリアも、太古の昔バクテリアだったものが細胞内共生したものです。そのため、ミドリゾウリムシは共生の進化について格好の研究材料になっています。
そのミドリゾウリムシを観察する機会がありました。顕微鏡で覗いてみると、なにやら緑色っぽい楕円形の物体が結構なスピードで泳ぎまわっています。肉眼では見えない一滴の水の中に豊かな世界が広がっていることに感動しました。

ミドリゾウリムシを見ながら妄想しました。人間にもクロレラが共生したら、光を浴びるだけでお腹がいっぱいなるのになぁ、と。
でも考えてみると、さがみこベリーガーデン(SBG)でやろうとしている事と重なるんですよね。
太陽光でエネルギーを作り、そのエネルギーを使って作物を育てる。
地域の方、学生、障害のある方、子育て中のママ、多様な人たちと働く場を作る。
災害時には太陽光で発電した電気を地域の方に開放し、災害に強い地域づくりをする。
エネルギーの地産地消を通じ、地域で経済を循環させ、地域を活性化させる。
実際には、ブルーベリーでお腹がいっぱいになるわけではないですし、作ったエネルギーもまだ地域で循環しているわけではありませんが、目指しているは他者との共生と循環型社会の構築です。

そんなSBGを一度見に来ませんか。つい2週間前は鈴なりに花をつけていたブルーベリーも、今は実をつけ日増しに大きくなっています。いよいよ6月18日からプレオープンします。美味しいブルーベリーを食べながら、私たちの目指していることを感じていただけたら嬉しいです。
皆様のご来園をお待ちしています。
 
小林 孝 (2022.5.14)


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