『少女小説とSF』とSFカーニバルのお知らせ

気がつけば2024年4月。新年度も一ヶ月が終わろうとしています。我が家は4月から生活状況が変わり、8月には20年以上住んだ根津を離れて東京郊外に引っ越すことが決まるなど、慌ただしい毎日を過ごしています。そういうわけで3月末に新刊が出たにもかかわらず、気がつけば宣伝noteも書けないままになっていました。告知が遅くなってしまい本当に申し訳ありません!

3月27日に日本SF作家クラブ・嵯峨景子編の小説アンソロジー『少女小説とSF』(星海社FICTIONS)が発売になりました。少女小説のレジェンドたちがレーベルを超えて集まった豪華絢爛なアンソロジーです。私は作家の選定や作家紹介、巻末のコラム執筆などさまざまなかたちで関わっています。

***本紹介***
日本SF作家クラブ企画!
あなたの心に眠る〈少女〉へ贈る、SF小説アンソロジー。
世代を超えて集結した豪華・少女小説作家たちが、少女小説とSFの可能性を解き放つ!

〈収録作品〉
新井素子「この日、あたしは」
パーソナルAIとの共生が浸透した未来。地震で母を亡くした「あたし」に生まれた願いとはーー

皆川ゆか「ぼくの好きな貌(かお)」
人面犬に殺された妹と、人面瘡に蝕まれる姉。双子の姉妹に訪れた破滅(カタストロフ)の真相が明かされるーー

ひかわ玲子「わたしと「わたし」」
人がみな双子で生まれ出ずる惑星に、ひとりきりで生まれてしまった少女の運命はーー

若木未生「ロストグリーン」
天才作曲家の少年と彼を支える編曲家。ふたりの前に鎮魂歌の作曲を求める青年が現れたーー

津守時生「守護するもの」
戦禍の果てに家族を失った少年は青年となり、美貌の相棒とともに宇宙へ賞金稼ぎに繰り出すーー

榎木洋子「あなたのお家はどこ?」
開発初期の地球型惑星に暮らす少女は、家出という名の小さくて大きな冒険へと旅立ったーー

雪乃紗衣「一つ星」
目を醒ますと少女の首には奇妙な頸輪があった。氷とオーロラの世界を歩むガール・ミーツ・ボーイの行方はーー

紅玉いづき「とりかえばやのかぐや姫」
竹から生まれた美しい男と、帝の地位についた少女。私たちの知らない古代の異類婚姻譚(ファーストコンタクト)が物語られるーー

辻村七子「或る恋人達の話」
全身機械化手術が普及した革命後のフランスで、『ナポレオン法典EX』が愛し合うふたりの男を阻むーー

嵯峨景子「コラム 少女小説とSFの交点」
少女小説家たちが手がけたSFの歴史、コバルト文庫以降の少女小説とSFの交点を辿るーー
***

忘れもしない2023年のとある日、日本SF作家クラブ第21代会長の大澤隆博さんから一通のメールが舞い込みました。日本SF作家クラブで少女小説のアンソロジーを計画しており、企画に参加してほしいというお誘いに驚きつつも、このテーマならきっと自分にできることがあるはず。そう思いながらお返事を差し上げました。

この企画をいただいた時点では版元は決まっていない状態でした。少女小説というジャンルへの理解のある版元と編集さんと一緒に作りたいと考えるなかで候補に上がったのが、2023年に『少女小説を知るための100冊』を出した星海社です。一つの仕事がまた別な仕事に繋がるというご縁から『少女小説とSF小説』が生まれました。

『少女小説とSF』がどのような経緯のもとで発売されたのかは、4月28日(日)に代官山蔦屋書店で開催されるSFカーニバルのトークショーで改めてお話します。トークの参加者は若木未生さんと私で、『少女小説とSF』の担当編集者の丸茂さんが司会を務めます。会場とオンライン開催で、まだどちらも申し込みできるのでご興味がありましたらぜひ。

■来店参加…60名様 ・【来店参加】券 1,000円(税込)
■オンライン視聴参加…400名様 ・【オンライン参加】参加券(500円/税込)
■4月28日(日)11:00~ 12:00( 15分前より入場/接続可能です)

SFカーニバルではアンソロジー参加者が寄せ書き形式でサインを入れるサイン会もあります。こちらは事前申し込み制ですでに予約を締め切っています。noteを書くのが遅くなってしまい告知が間に合わずに申し訳ないです。このメンバーが一同に集うのは壮観ですよね……。当選した方々と当日お会いできるのを楽しみにしております!

サポートありがとうございます。サポートしていただいた分は今後の調査・執筆費用として大切に使わせていただきます。