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自己紹介バッグ もう持ってた

「私の名前はさがみです。MM6のジャパニーズショルダーバッグを使っています。」

👜👜👜

年始に自問自答ファッション講座(アーカイブ)を拝聴した中で出てきた靴、バッグ、アクセサリーの「ファッション三種の神器」
あきやさん曰く、それぞれ自己表現をする上で大切な要素であるため、人に選んでもらうのではなく自分で真剣に選ぶことが大切とのことだった。

あの講座を拝聴して以降、靴とアクセサリーについては選び直したいとする意欲が湧いている。しかし、バッグに関しては、雑誌を眺めても気になるブランドのサイトを閲覧しても心が揺れ動く瞬間があまり無い。
なぜか?それは今持っているMM6のバッグがそこそこ気に入っているからだ。

バッグを選んでから服(スタイリング)を合わせるというお話を聞き、引き出しの上に置いてある「それ」に視線を向けた。

1)好きな色を持つ(苦手な色味でもOK)
2)自分がめちゃくちゃロマンチストになったら(雷に打たれた/ポエムが浮かんだ)買い時
3)無難な色に縛られる必要は無い

自己紹介バッグの選び方

私はあの時真剣に選んだだろうか?なぜそのバッグを買ったのか?
本当に自己紹介バッグとなり得ているのか?
自問自答ファッションにおけるプロセスとして順番が前後しているのは重々承知しているが、私はあのバッグが気に入っている。バイヤーからではあるが、そこそこのお金を出して購入している。
「気に入ったから買った」。それに勝る理由などないのだろうが、追加要素として、MM6を持つことに対して自分が納得できる理由づけが欲しかった。

なぜMM6を購入したのか、あのバッグのどこに惹かれたのか?
それを紐解くべく、キーボードを叩く。


バッグを購入した理由を思い出そう

そもそも、なぜあのバッグを購入したのか?
購入履歴を確認すると、昨年の4月。もうすぐ1年が経過しようとしていた。

バッグの存在を知ったのは、言わずと知れた「What's in my bag?」の動画である。
小ぶりながら十分な容積があること、自立できるたくましさがあること、そして、使いまわしがききそうでかつ主張も忘れないデザインに惹かれて購入した。

購入後、手元に届いた際にバッグ本体の軽さにも驚いた。
バッグが重いだけで外出が億劫になる私にとって嬉しい味方だ。お迎えした当初から、「いい買い物だったかも...♪」と用事の大小に関わらずあのバッグを持って出掛けていたなぁ。

ブランドについて知ろう

恥ずかしながら、MM6のバッグを購入するまで「メゾンマルジェラ」というブランドを一切知らなかった。
そこで、ブランドへの理解を深めようと2つのことを実践した。

映画を観よう

まずインプットの取っ掛かりとして、マルジェラを題材にした2本のドキュメンタリー映画を鑑賞した。
以下は、それぞれの映画を観て私が気に留めた言葉たちである。

- 負ける覚悟なしに勝利はない
- 型破りなアイデアとデザイン
- アンダーグラウンド
- 女性のイメージ像に左右されない
- 選択肢はない。イエスかノーだけ
- チームに家族的な感情は抱かない→徹底的なプロ意識
- 服を通して、コンセプトや主張を訴える 表現重視
- 人が服を作る 個性を活かす
- メイクはモデルの素を残す
- ジェニーの苦悩:万人を喜ばせようとすると、自分が行き場を失ってしまう
- ”We”:作品は複数の人たちとの共同作品、故に責任も共同である→個人の意見と捉えられない”楽さ”があったのでは?
- その反面、自分が小さくまとまってしまい個々の才能が消えていく。

『We Margiela マルジェラと私たち』

- 靴はシルエット 動きを与える
- 攻めのファッションは世界に発信しないと形にならない
- 誰が作ったかは重要ではない 主張する必要がない→その服を見た人それぞれの考えを促すことが大切
- 本物のエンターテイナー(ジャンポールゴルチエ評)
- ファッションの常識を覆すショー
- コンセプトを練り上げて服に落とし込む
- 持ち味を手放すな それがスタイルになる
- 時代を先取りしていたはずが、徐々に時代が追いつくようになり同じようなデザインばかりが流布するようになる→理解されない苦しみから、理解されすぎる苦しみへ
- 上質+快適+普遍的=高級
- 自分の主張がある人には自由が必要

『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』

「天才」と呼ばれた異端児デザイナーが生み出す、唯一無二の作品たちに魅せられたスタッフ(宗派)たち。彼らはマルタンにのめり込むほど自らの個性を失っていった。「マルタンこそ至高」とするその共通見解を持った人々を「宗派」と表現したことは言い得て妙だ。
しかし、マルタンは自分のブランドに時代が追いつきトレンドを席巻し始めたこと、さらにビジネスとしてファッションを突き詰めて行かなければならない状況に苦しんでいた。
ブランドとしての利益とデザイナーとしての本能(個性を貫きたいとする我の強さ)の狭間で苦悩するその姿に、私は「天才」のなかに彼の「人間性」を垣間見た。

衰退と勃興が激しいファッション業界において、今でもマルジェラに根強いファンがいる背景には、着た人それぞれにデザインの感触を委ねるとするマルタンの考えが根底にあるからだと思う。
「マルジェラだから"最高"」なのではない、「マルジェラを身に纏った人が"最高"だと思えばそれが"最高"」なのである。

「ファッションにおいて大切なことは、服のデザインだけでなく人それぞれの感性を養うことだ」。そう教えてくれる映画だった。

コンセプトを調べよう

さて、映画を2本見終えたが、私は「MM6」についてはほとんど触れられていないことに気づいた。同時に、マルタン自身が立ち上げたブランドではないことも知った。そこで、マルジェラの公式サイトを覗いてみた。
映画を鑑賞しなければ「MM6」について誤解したままになっていただろう。つくづくインプットの大切さを痛感する。

1997年に発表されたエムエム6 メゾン マルジェラは、ウィットと遊びを効かせたコンテンポラリーなワードローブを発信しています。 伝統的なサルトリアルは解体され、エッセンシャルなアイテムはユニークな加工を通して再解釈され、独創的なオールジェンダー・ワードローブを生み出しています。

https://www.maisonmargiela.com/ja-jp/mm6/

自分のコンセプトと合致しているか確かめよう

公式サイトを閲覧し、「MM6」がマルジェラよりもかなり後発的に興り、それまでマルジェラが持っていた威厳や風格をとっぱらい現代社会に根ざしたブランドであることが分かった。

あと、私と同い年であることも。

では、この「MM6」のコンセプトが私のコンセプトとどれほどマッチングしているのだろうか。確かめてみよう。

私が今年の1月に打ち出したコンセプトは、「アイドルを主食とする、ユーモラスでストイックなマッスルエンターテイナー」である。

含蓄があるウィットに富んだ言い回し、しかし、堅物になりすぎない。相手に少しスキを与えるガードの甘さがあるような人。

そうだ、私はユーモアがある人になりたいのだ。

まさか「ウィット」という言葉が共通しているとは。伝統に縛られず、「今」を楽しむ遊び心を大切にしたいとする考え方に共感する。
しかし、合致したワードはこの一言だけだった。

「なりたい・似合う・スキ」を考えよう

ほぼほぼ結論が出たように思えたが、決め手に欠ける気がした。
やはりキーワードのマッチング率が低かったことが自分の中で腑に落ちていないようだ。

ただ全く的外れではない気もしていて。
「自己紹介できてるよ!」という天使と「本当にアンタのこと表現できてんの?早計じゃない?」という悪魔が、ここ一週間ほど心の中で対峙していた。

天使と悪魔の冷戦状態の最中、ふとファッションにおける自分の理想の姿が具現化できていないことに気づいた。
そういえば、「なりたい・似合う・好き」についてまだ考えていなかったな…
ここに決定打が埋まっているかもしれない。早速やってみよう。

なりたい
・自分の軸を持った程よい自制ができる人
・funnyとinteresting両方を兼ね備えた人
・服だけでなく、小物に遊びを入れたい
・服よりも小物にお金をかけたい(1点にかける金額の比重として)
似合う
・幾何学模様、アニマル柄
・テーパードパンツ
・レイヤードスタイル
・彩度と明度が高い服
・丈が短いトップス
・帽子
スキ
・柄シャツ              ・幾何学模様、アニマル柄
・帽子                ・テーパードパンツ
・スニーカー、ローファー、ブーツ   ・レイヤードスタイル
・ブラックコーデ           ・丈が短いトップス
・スポーティ            

なんということでしょう。「似合う」と「スキ」がほとんど合致したではないか…!
「スキ」なモノを身に纏うことで気持ちが上向く。それが「似合う」のだからさらに気分が高揚する。そうして自ずと「なりたい」姿に近づいていく…

その時私の脳内に、天使と悪魔の争いの終わりを告げる鐘が鳴ったー

私の自己紹介バッグは

もう、胸いっぱいに空気を吸い込み、声高に宣言しよう。

「私の名前はさがみです。MM6のジャパニーズショルダーバッグを使っています!」


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