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第3話 AIを使った交通量調査の難しさ ~カメラ編:車の動きを捉えよ~

はじめまして

はじめまして、新卒1期生の内定者としてインターンをしている山本です!
私は大阪の大学に通っているため、普段はリモートで勤務をしています。大学生活ではイタリアンでのアルバイトや、就活系マッチングアプリのイベント企画などを行っていました。「何事にも好奇心を持って行動すること」が強みで、最近は一人海外旅にはまっています。セーフィーに入社を決めた理由は①映像起点の課題解決にわくわくした、②新卒一期生としてキャリアを自ら描きたいと思ったからです。
現在はインターン生として新規ソリューション研究チームに所属し、交通量調査をテーマにAIを触ったり資料作成をしたりなどさまざまな業務に関わらせてもらっています。

本ブログは、セーフィー新卒内定者がAI交通量調査に挑戦する経験をまとめた全5話シリーズの第3話になります。AI交通量調査は以下の流れに沿って行いますが、第1~2話ではAIを使った交通量調査の難しさを②解析設定の視点
からお伝えしました。第3話では、①映像取得にアプローチして述べていきたいと思います!

過去の記事はこちらです。

カメラで映像を撮ることは簡単じゃない!?

「カメラで映像を撮るなんて簡単じゃん。撮りたいものを写せばいいんでしょ?」

多くの方がこのように考えるでしょう。しかし現実は想像以上に難しいものなんです。

なぜならば、ここで撮るべき「映像」は人間ではなく、AIが「車」と判断できるように撮る必要があるからです。(詳細は、後述します)

ではどうやって、そのような映像を撮影するのか....?

基本的には、これら2つの要素を最適な状態に整えることで実現できます。(ここでいう画角とは「カメラに映る範囲」を指します)

①カメラの設置  ②画角の調整

私は当初、2観点だけの一見単純な作業だと思っていたのですが、やってみると難しいものでした><

実際に映像を撮ってみた

実際に社員さんに同行し、お借りしたカメラで、①カメラの設置&②画角の調整をした上で、交通量調査に必要な映像を撮ってみました。

①カメラの設置:対象物が広範囲に見える地点にカメラを設置し、三脚を使って高さを調節しました。
②画角の調整:カメラに角度を付けて「このくらいで良いかな」と思った部分で調整完了。
①と②のステップが終わったので、いざ映像開始!

そして数分後、どんな映像が撮れているのか撮影した映像を確認してみました。すると、車の端しか撮れていませんでした....><(以下の写真がイメージ)

この映像だと、人間であれば道路という周りの環境も加味して「車だな。」と判断できますが、AIだと車体の一部しか映っていないため正確に「車」と判断することが難しくなります。

交通量調査を実施するためには「車の動き」を捉える必要があります。
カメラに車が映り初めて、正面で捉え、見切れる、これら一部始終の全ての場面を映像として捉えることで、車の方向に対する台数をカウントすることができるようになるのです(以下の写真を参照)。

車の動きを捉えられるように、撮影せよ!

では、なぜ「車の動き」を捉えられるような映像が撮れなかったのか。
それは自分の「なんとなくで」カメラを設置し、画角を設定をしてしまったからです。

反省する中で2観点に対し、それぞれ気付きがありました。

①カメラ設置:映像を確認しながら、カメラを設置していなかった
②画角調整:映像がAIに解析されることも想定せず、自分の目に映る光景を基準に撮影してしまった

これらを改善するためには、カメラが捉える映像を確認しながら①と②を実施することが必要となります。映像の映り具合を確認しながら、カメラ本体の角度を微調整することで目的の映像を撮影することが可能となりました。
確認の実施方法としてSafieカメラを用いた場合には、Safie Viewer(※リンク)の画面上で、カメラ設置位置からどのように映像が映っているのかを閲覧することができます。
また今回の交通量調査においては、カメラ画角を遠隔操作できるPTZカメラ※を利用したため、Safie Viewer上で縦方向と横方向にカメラ画角を変えながら、撮影範囲のチェックを実施しました(参考:ヘルプページ PTZカメラの操作方法)。
※PTZカメラ:カメラ画角を遠隔操作できるカメラ

”どの範囲をどれだけ写すか”こそが交通量調査の原点

カメラで交通量調査を実施するためには、大前提として”どの範囲をどれだけ写すか”を決定する「カメラ設置」と「画角設定」がとても重要となります
なぜならば、どんなに優れたAIを使ったとしても、そもそも対象物がうまく映っていない映像に対しては高い精度を出すことが難しいからです。一方でこの作業は、事前準備の中で最も困難な作業の一つともいえます。
「何を」「どこで」「いつ」「どのように」映像を撮るか、は毎回変化するため、試行錯誤しながらその場に応じた最適解を模索する必要があります。ほんの数度だけの微調整が求められることもよくあります。

一般的に後者の「映像を解析するAI」が注目されがちですが、精度の高いAI交通量調査は「映像を撮るカメラ」と「映像を解析するAI」の両方が最適な状態で組み合わさって初めて成立します。
そのためには、まずは映るべきものがちゃんと映るようにカメラを設置し、画角を調整する。この当たり前が大切なのです。

次の章では今までと異なり、固定カメラではなくウェアラブルカメラをつかったAI交通量調査への挑戦についてお話しますので、次回もお楽しみに!

最後に

この記事を読んで、セーフィーが取り組むAI交通量調査にご興味をもたれた方は、ぜひ弊社HPの問い合わせページからお気軽にご相談・ご連絡ください!

また随時正社員・インターン共に新たなメンバーも募集をしているので、このような挑戦に関わってみたいという方も、まずはカジュアル面談のご希望からお待ちしております。


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