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第1話 セーフィーで取り組む交通量調査とは?~AIは作るより使うほうが難しい~

はじめまして

はじめまして、新卒1期内定者でインターンをしております遠田です!
山形県出身の私は、新潟大学に通っており、個人情報保護やプライバシー権の生成の勉強をしています。
大学生活では、地域ボランティア団体に所属し、イベント企画を通じて地域を盛り上げる活動に参加、地方の不便さや高齢者の移動問題など地方課題に立ち向かって来ました。

そんな私はこの4月よりセーフィーに入社します。セーフィーは、クラウド録画カメラサービスを提供している会社です。映像・クラウド・AIを駆使して、映像から未来をつくることを目指しています。
入社を決めたのは、映像から未来をつくるセーフィーで新しいインフラをつくって広めて、だれがどこにいても不便なく生活できる世の中を作りたい、と思ったからです。

今はインターンとして新規ソリューション研究チームに配属され、セーフィーの拡大する未来にワクワクしながら日々業務に向き合っています。このチームでは、映像とAIを掛け合わせた効果的なソリューションを作り上げるために、クラウドカメラを活用した、さまざまな研究開発を行っています。その中で、私たちは「交通量調査」のテーマに取り組んでいます。

AIを使った交通量調査を研究するなかで、AIやカメラに対する多くの気づきがありました。そこで、その気づきを共有したいと思い、研究チームでインターンを行う新卒1期内定者4名が、リレー形式でnoteを書くことにしました!!全5話の内容は、以下の通りです。

1.セーフィーで取り組む交通量調査とは?
2.AIを使った交通量調査の難しさ ~解析設定編~
3.AIを使った交通量調査の難しさ ~カメラ編~
4.ウェアラブルカメラをつかったAI交通量調査
5.AIを社会実装するための更なる挑戦~ミニカーを使って実験してみた~

まず第1話「セーフィーで取り組む交通量調査とは?」の本章では、交通量調査がいったいどんなものなのか、どんなことをしているのか説明していきます。

そもそも「交通量調査」とは??

道路に人が座ってカウンターをカチカチしている光景を見たことはありませんか。あれは、通行する車の台数を種類や方向別にカウントしているのです。この仕事こそが交通量調査です。

交通量調査は色々な目的で実施されています。その一つに国土交通省主導で5年に1回「全国道路・街路交通情勢調査」(旧:道路交通センサス)があります。この調査では、道路と道路交通の実態を把握し、道路の計画や、建設、管理などについての基礎資料を得ることを目的としています。
これまではヒトによる調査(ヒト観測)が主流でしたが、2021年に国土交通省がヒト観測からICTの活用を推進すると公表しました。さらに、交通量調査の現状ヒアリングを実施したところ、人手不足の問題などもあり、ヒトに代わる調査の需要が高まっていることがわかりました。
そこでセーフィーでは、カメラとAIを用いた交通量調査プロジェクトの取り組みに力を入れています!

セーフィーが交通量調査を開拓する理由

セーフィーがAI交通量調査に着目した理由は、映像のプラットフォーマーとしてクラウドカメラを用いたAI解析の知見をもっているためです。これまで多くの映像とAIを組み合わせ、実証実験やサービスの提供を行ってきました。

冒頭でもお伝えしたように、世の中には交通量調査をヒト観測からAI調査に置き換えたいという流れがあり、人手不足の理由からもAI調査を求めている事業者は増えています。その流れを受け、AIを用いた交通量調査を行うサービスは既に市場に存在しています。
ヒト観測をすべてAIに置き換えれば、ボタンを押すだけで欲しい結果が簡単に出てくるという状態になるかもしれません。そうすれば、ヒト観測と比較して人件費も安く済むはずです。

ですが、現実はまだAI交通量調査が主流ではありません。なぜなら、AIを使いこなすことは想像以上に難しいからです。
セーフィーでも様々な取り組みの中で、AIを使いこなすことがいかに難しいかという壁に何度もぶつかってきました。そんなセーフィーだからこそ、「ヒト観測の代替となる新たな交通量調査」が実現できるかもしれないと思い立ったことが、Safie交通量調査プロジェクトの起源です。

交通量を測るとは?

ただ車が映っているだけの映像では、交通量を測ることはできません。
交通量を測るためには、”どの方向からどの方向に車が移動したか”を捉える必要があります。
特に、交差点の場合、東西南北(4方位)× 直進右左折(3方向)=12方向それぞれを通る車の台数を測る必要があります。

どうやってやるの?
AI交通量調査は、具体的には以下の流れで実施します。

①映像取得
対象の交差点に流出入する車両が捉えられる画角に調整し、調整した画角で調査期間分の映像を録画する

②解析設定
解析結果とヒトによる目視計測との誤差が小さくなるように設定→解析→結果の照らし合わせを続ける

③解析実施
②で行った解析設定で、調査期間分の映像を解析にかける

④加工する
③の結果出てきた解析結果を使って、「どの車種がいつ何台どの道路を通過したのか」を一目でわかる表にする

一見シンプルに見えますが、実際に作業を行ってみると、映像解析の大変さに衝撃を受けました。意外と手を動かす量が多い…慣れてないので時間がかかる…精度がでない…など

例えば、1つの交差点の交通量調査を行う場合、30回以上解析をかけ直し、トータルで54時間もかかっており、しかも、手間や時間がかかるだけでなく、難易度の高い作業であることも判明しました。
第2話にてより具体的な解析設定の困難さについて説明します。

このままでは、交通量調査なんてできない。

・AIを使った方が、ヒト観測よりはるかに時間がかかってしまう
・時間に加えて、精度も悪い
・これではヒトの代替なんてできないじゃないか…

そう思うことも多々ありました。
しかし、そこから試行錯誤を重ねながら、解析結果の分析を行ったところ、
「交差点の車の流出入がすべて捉えられる画角への調整」
「検知線位置のルール化」
「設定本数のルール化」
などの解析ノウハウを貯めれば、作業時間の短縮化・精度向上が実現するのではないか、と気づくことができました。
実際に作業を工夫した結果、初回の作業時にはトータルで54時間かかっていたところ、26時間で作業を終わらせることができるようになりました。(28時間の工数削減!
ノウハウを蓄積することで、AI交通量調査が実現できるのではないか、ヒトに代わる調査が可能になる兆しが見え始めました。
何をどう工夫すれば、AI交通量調査が実現するのか。ここから挑戦ははじまります。

次の章では、その具体的なノウハウについてお話しますので、次回もお楽しみに!

最後に

この記事を読んで、セーフィーが取り組むAI交通量調査にご興味をもたれた方は、ぜひ弊社HPの問い合わせページからお気軽にご相談・ご連絡ください!

また随時正社員・インターン共に新たなメンバーも募集をしているので、このような挑戦に関わってみたいという方も、まずはカジュアル面談のご希望からお待ちしております。



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