メンタルヘルスに超絶良かったiPad +Apple Pencil

自分で出来るメンタルケアの方法としてよく紹介されるのが、「自分の心に浮かぶ事柄をとにかく書き殴る」というものである。

心に浮かぶ事柄を、包み隠さず一心不乱に書き殴る。こうすることによって、心が軽くなる、という方法である。

一般的には、ペンとノート(あるいは裏紙など)等の何でも書ける紙のスペースを用意して、とにかく書きまくる、という方法が紹介される。

心が蝕まれていた

数年前の僕の心の状態は、なかなかに酷かった。

普段の仕事がストレスフルな上に、厄介な案件をいくつか抱え、先が見えない。
自分の能力が低いことが原因であることが分かっていて、自責の念もある。
周りからも、「あいつはダメだ」と思われているだろうな、なんて思い詰める。

心に常に大きな陰りがあって、晴れ渡る空に白い雲の外の世界とのギャップに現実から浮遊しているような感じで日々を過ごしていた。

このまま放っておくとやばいな、と感じた。
そこで、試してみたのが、上記の「心の中書き殴り」法である。

初めは、大学ノートを買ってタスク管理も一緒にやっていたのだが、仕事の資料をpdfにして管理したかったし、タスク管理をするにもデジタルの方が良かろうと思い、iPadを試してみようと思い立った。

iPadにした結果「吐き出し」のハードルがめちゃ下がった

iPadとApple Pencilを書い、心の中を書き殴るのを、紙のノートからiPadのノートアプリに変えた。

これが想像を超えた効果を生み出した。

まず、どんな事でも、書ける。
どんなネガティブな事も、悪口も、妬みも、八つ当たりも、どんどん書ける。
書けるから更に湧いてくる。

これは、紙のノートの時には無かった感覚だった。
というのも、紙のノートの時には、どこか、「これを誰かに見られたらどうしよう」、「落としてしまったらどうしよう」という可能性を捨てきれず、心とペン先に蓋がされていたのだった。

しかし、iPadは、その心配が無い。
ロックさえしっかりしていれば、デジタル上のノートを誰かに見られることはなく、それは万が一落としてしまっても同じだ。

誰かに見られたら絶対にまずい事、知られたら恥ずかしすぎる事、自分の心の汚物を、思う存分、吐き出せる。

あと、いくらでも、書ける。
紙のノートだと、ノートの分しか書けず、終わったら保管スペースの確保もしなければいけないということで心の片隅に「書ける量の限界」の意識があったように思うが、デジタルスペースであれば、これが一切ない。

一心不乱に、どんな量でも書けるのである。
この、「誰かに見られるかもしれない」という意識と「ノートの分量しか書けない」という意識から解き放たれたことによって、心の中を吐き出すハードルが段違いに下がった。

デジタルによる物理的制約からの解放と、Apple Pencilの紙と変わらないアナログレベルの書き味が同居した奇跡体験。デジタルならではのデトックス体験である。

いつでも、どこでも、書ける

「いつでも、どこでも書けるのがiPadの良さです」と聞いて、え?それはむしろ紙の方なんじゃないの?と思われるかもしれない。

紙は充電しなくていいし、サッと取り出せてすぐ書ける気がするし、むしろ、ここがアナログの良さとして語られるところではないか、と感じるかもしれない。

しかし、使ってみれば分かると思うが、「いつでも・どこでも」性が高いのは、むしろiPadの方である。

まず、書くための土台が必要ない。

どういうことかと言うと、紙のノートの場合、紙のノートを手に持ったまま何かを書こうとすると、紙は柔らかく曲がってしまうために、下を何かで抑えたり、書くための机等が必要だったりする。

電車の中で座りながら書こうという場面でも、膝の上に乗せたりバッグの上に乗せたりしても、下地として安定しないため、快適に書けない。

一方、iPadは書くための台などなくても、そもそも固いディスプレイの上に書くため、iPadを手に持ってさえいればいつでも安定して書くことができる。

そして、ノートと違って次に書くページをめくる必要も無く、指一本で書くスペースまで到達できるのである。

この紙ノートとの操作性の違いは、非常に大きい。

また、暗いところでも、ディスプレイ自体が明るいので、ライト等照らさなくてもそのまま書き込むことができる。

そして、紙ノートより正面以外からの視認性が悪いため、書いている内容を周りの人から盗み見される可能性が圧倒的に下がる。

このような違いは、実際に使ってみないとなかなか実感できないのであるが、体感としてとても大きく、iPadをノートとして利用するようになって以来、「とりあえず何かを書く」という行為が格段に増えた。というか書かずにはいられない身体・脳になってしまった。

思考整理に役に立ちすぎる「投げ縄ツール」

iPadのノートアプリは、思考整理にも最強である。
その核心が、各ノートアプリに搭載されている「投げ縄ツール」である。

これは、自分か書いたものを、Apple Pencilで縄のようなもので囲い、それを、別の場所に自由自在に動かすことのできる機能である。

このような機能自体、真新しいものではないが、書き味抜群のApple Pencilとノートアプリを組み合わさることによって、最強の思考整理ツールになる。

これがあると、自分の思考を吐き出しまくったあと、それを移動させて、グルーピングしたり、階層化したりと、自在に整理することができるのである。

これは紙のノートではできない、デジタルノートだからこそ出来ることだろう。
これができるようになって、おそらく僕の仕事上のアウトプットも相当良くなったと思う。

デメリットは無いのか?

紙ノートに比べたデメリットをあえて考えてみると、まず、重さであろうか。
iPadとカバー、Apple Pencil等で500gは超えてくるので(iPad miniであればもっと軽いが)、紙ノートとペンよりはずっと重くなる。

あと、充電が切れたら使えなくなる、とか。まあ、iPadの充電は10時間程度持つので、ほぼ気にしなくて良い要素であるが。

他にも、デジタルデバイスならではの一般的なデメリットはあるにはあると思うが、正直、そんなデメリットなど全て無視してしまってよい程、メリットが大きすぎる。

おすすめの買い方、ノートアプリ

iPadとApple Pencilを使う入口として、オススメなのは、まず、一番安い無印iPad(ProでもAirでもないやつ)と、それに対応するApple Pencil(今は第一世代のApple Pencil)を買って、最安構成で試してみることである。

iPad Proはお試しとしては高額過ぎるし、無印iPadでもスペックは十分である。
これで買って試してみて、もっと高機能が心の底から欲しくなったら、iPad Proを買えばいい。

ちなみに、僕は、最初、ゲオで中古の無印iPadとApple Pencilを買って、それ以来、iPadの虜となり(iPad自体はその前からずっと使っていたから正確に言うとApple Pencilとノートアプリの虜か)、以来、ずっと、iPad Proをメルカリで買い増ししてきている状況である。

ノートアプリは、色々な人が紹介しているので、その中から自分に合ったものを使えば良いと思うが、僕が「書き殴り用」として使っているのは「Noteshelf」である。

実は、pdfの読み、書き込み等で比重として多く使っているのが「GoodNotes5」であり、おそらくこっちの方がノートアプリとしての評判は良い。

実際、pdf管理やファイルの階層化等の点で、GoodNotes5の方が優れている点が多く、メジャーなのはこっちだろう。

ただ、Noteshelfは、他のアプリと比べて、書き味が断然良い。書いていて気持ち良すぎる。紙ノートにジェットストリームで書き込むより気持ちいい。

この書き味の気持ち良さが際立っていて、僕はNoteshelfから離れられず、思考の一歩、文書起案のアイデア出し等は、GoodNotes5ではなく、Noteshelfでおこなっている。

ノートアプリは、おそらく好き嫌いが分かれるし、必要な機能も人によって違うと思われるので、ぜひ、色々な紹介記事、紹介動画を見て自分に合ったノートアプリを見つけて欲しい。

以上、iPadへの愛を書き殴った記事でした。

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