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陽性になったこと、伝えやすくなったんじゃないかな。

「性病検査をうけよう。」
「陽性と分かったら報告しよう。」

耳障りのいい言葉ほど難しいことはない。

性病検査をすることで、自身の健康状態の把握にもつながる。早期発見すれば完治するまでの期間も短くなる。

皆がそうすればいいことなんて百も承知。
でもそうしない、いや、できないのには事情がある。

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私は風俗店で働いている。

性病の恐ろしさは知っているし、性病に関する知識もそれなりにある。ただ、性感染症に100%の予防法はない。いくら対策しててもかかってしまう時はかかってしまう。

性病検査が義務付けられているお店も多く、私も定期的に行っている。

実際に陽性と判断された場合、お店に伝えると完治するまで出勤できないし、お客さんに伝えると、それ以降指名してくれなくなったり、低評価がつけられたりする。人によっては罵詈雑言を浴びせてくるような人もいる...。

「自分は性病にかかってしまいました」と伝えることはデメリットも多い。これは、性風俗業界関わらず、恋人・パートナー間でも似たような問題があると思う。なので、かなり勇気が必要だ。

それでも、私はちゃんと報告するようにしている。
お客さんには恋人がいるかもしれないし、愛する家族がいるかもしれない。知らぬ間に広げていたら申し訳ない。
また、ピンポン感染のリスクもある。お客さんも感染していた場合、自分だけ治っても、相手が治療をしていなければ、性行為でまた感染してしまう。

いずれは自分に返ってくる。
だから私は性病検査は定期的にするし、陽性だった際の報告は欠かさずしている。

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つい最近、saferというサービスがリリースされた。興味本位でこのサービスを使ってみたが、陽性通知機能は結構使えそうだった。

サービス(safer)上で自分のアカウントを作成し、自分のことをお気に入り登録してもらう。お気に入り登録してもらった人全員に対して、一括で陽性通知を送ることができる。それも匿名で。
例えば私が梅毒にかかった場合、私がかかったと明かすことなく「周囲に梅毒にかかった人がいる。念の為検査してね。」とお客さんには通知がいく。

また、陽性通知は自分だけでなくお客さん側から送ってもらうこともできる。実はお店や個人に連絡してもらえるケースはあまり多くはない。お客さんにとっても、匿名かつ手軽に報告できるのは一つのメリットだと思っている。

私もお客さんもwin-winなので、お客さんにはなるべくsaferに登録するようお願いしている。

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「陽性になったこと、伝えたかったけどできなかった」って人も、saferがあれば少しは伝えやすくなったんじゃないかな。

少しでも性病の感染者が減りますように。

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