【男の自画像-4】憧れのNY
NY時間15時10。定刻どおりに到着。団体旅行のためか、税関はフリーパス。他の旅行者が税関でがチェックされているのをよそ目にいそいそとEXITへ急ぐ。
出発前に『旅の英会話』の本を買った。
What is the purpose of your visit? (滞在目的は何ですか?)
Sightseeing (観光です。)
How long do you plan to stay? (いつまでの滞在予定ですか?)
seven days (7日間です)
しかし、フリーパスだったので一生懸命覚えたのに使えなかった。残念である。NYのツアー担当は、現地のガイドのSさん。なんと我が社のF君にうりふたつ。話し方のアクセント、タバコの吸い方。目元、口元、へアースタイル。気持ち悪いくらいに何から何まで似ている。SさんにF君の親戚ではないかと聞きたくなった。
そのガイドのSさんが、NYでの生活の注意を説明している。スリがどうしたこうしたといっているらしいが、僕は車窓から見える景色に夢中だ。2本のノッポビル。あれが『世界貿易センタービル』らしい。
美しいビルだ。
ガイドブックには、107階とある。しかし、その高さを感じさせないのは、まわりが同じように高いからか。マンハッタンが近い。ハドソン川を渡る。エンパイヤステートビルが右手に夕日を浴びて美しい。映画で見たのと同じだぞ。なんだかドキドキする。Sさんが、もうすぐハーレムが近いと教えてくれる。
自動車大国アメリカ。でも車は汚い。やはり道具としての考え方が強いのだろうか。1年間は洗っていないように見える。日本の自転車感覚なのだろうか。ビジネス向けの車、自家用車も同じである。錆だらけはもちろん、修理した後のペイントもそのまま。ぶつけてあってもそのまま。車体は紺、ドアは赤。何ていうのも走っている。
ビルには、落書きが多い。そして日本の落書きとはスケールが違う。ビル全体に赤、黒そして黄色等のスプレーで描いてある。ガイドのSさんによると、落書きが発展して「芸術」となり、商売にしている人がいるらしい。さすがNYである。
さしずめ日本なら、社会問題にまで発展しそうな「落書き問題」も「芸術」の域まで達するのもNYらしいと思う。また、落書きを消すための予算がないとのこと。これは、NYが悩める問題のひとつか。
戦後、日本は、アメリカに追付け、追い越せで経済を発展させてきた。そして今、ようやくアメリカに近付きつつある。しかし、この汚れている街を見ているかぎり僕は寂しい思いである。公園がある。子供達が楽しそうに遊んでいるのを見てホッとする。
信号機の形が面白い。釣り竿に魚がぶら下がったように、縦に信号機がぶら下がっている。風にゆらゆら揺れている。風でくるくると回転してしまったら事故になるだろうな。と余計な心配をする。
がんになってから、「お布施をすると気持ちが変わる」ことに気がつきました。現在「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」に毎月定額寄付をしています。いただいたサポートは、この寄付に充当させて頂きます。サポートよろしくお願い致します。