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衝撃のエンディングに震える”どんでん返し”映画5選!

『推定無罪』

製作年/1990年 監督/アラン・J・パクラ 出演/ハリソン・フォード、ブライアン・デネヒー、ボニー・べデリア

米司法制度に切り込んだ硬派なサスペンス!

著者スコット・トゥーロが検事補時代の通勤電車の中で8年がかりで書き上げたというベストセラー小説を『大統領の陰謀』で知られる名匠パクラが監督し、その硬質な筆致により高評価を博した司法サスペンス。検事補ラスティは仕事も家庭生活も順調なはずだった。しかし、かつて不倫関係にあった同僚のキャロリンが何者かに殺害されたことで風向きが変わりはじめる。殺害現場に残された物的証拠はなぜかラスティにとって不利となるものばかり。彼は検察側から一転して容疑者の立場へ叩き落とされ、裁判で容赦ない追求を受けることに……。

【ここからネタバレ】
法廷での駆け引きの末、証拠不十分となり自由の身になるラスティ。その後、彼は自宅の工具箱から血のついた鈍器を見つけてハッとする。真犯人は最も身近なところにいた。すべてはキャロリンへの未練を捨てられずにいる夫の本心に気づいた妻が、復讐や嫉妬などの感情が相まって後先考えずに及んだことだったのだ。正義や真実を最も重んじるべき立場のラスティが、結局、真相を闇に葬ってしまう結末が重くのしかかる。

『グランド・イリュージョン』

製作年/2013年 監督/ルイ・リテリエ 出演/ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソン、モーガン・フリーマン

あなたはこのトリックを見破れるか!?

謎の人物によって引き合わせられた腕利きのマジシャン4人。やがて「フォー・ホースメン」としてラスベガスで巨大なマジックショーを開催した彼らは、パリの銀行から多額の現金を忽然と消し去り、大反響を呼び起こす。次なるショーで彼らは保険会社のオーナー、トレスラーの口座から多額の金を災害被災者たちへと分配。FBI捜査官のディランは血眼になって彼らの狙いやトリックを解明しようとするが、ことごとく裏をかかれてしまう。トリック破り動画で人気を博すタデウスも動き出す中、やがてホースメン最大のショーの幕が上がり……。

【ここからネタバレ】
一連のショーにはすべて繋がりがあった。核にあるのは、かつてマジック中に命を落とした奇術師、ライオネル・シュライク。彼の遺族に補償料を支払わなかったパリの銀行とトレスラーの保険会社、その他、不良品を提供した金庫会社も復讐の標的だった。さらに最後のショーで奪われた現金は、トリック破りでシュライクを没落させたタデウスのクルマから見つかり……。実は、ホースメンを追っていたFBI捜査官ディランこそすべての首謀者で、奇術師シュライクの息子なのだった。

『インサイド・マン』

製作年/2006年 監督/スパイク・リー 出演/デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスター、ウィレム・デフォー、キウェテル・イジョフォー

タイトルが示す意外な真相とは!?

『狼たちの午後』を彷彿とさせる内容に惹かれた名匠スパイク・リーが珍しくエンタテインメントど真ん中の路線に挑んだ一作。舞台はウォール街。ラッセル率いる犯人グループは塗装業者を装って銀行内へ侵入し、50人を人質に立てこもる。その練り抜かれた犯行にフレイジャー刑事は「彼らの真の狙いは何なのか?」と疑問を募らせ、一方、敏腕弁護士ホワイトは銀行会長の「知られたくない秘密」が世に出ないよう犯人グループと接触を試みる。実はここの会長は、かつてナチスと組んで富を築いたいわくつきの人物だった……。

【ここからネタバレ】
鍵を握るのは貸金庫392番。そこにはナチスとの関係を示すファイルと、数々のダイヤが眠っていた。それらを奪ったラッセルは、そのまま備品室の壁の奥に築いた空間に潜伏し続け、事件収束から1週間後、這い出して逃げ去る。貸金庫に「指輪を追え」のメモを残して。それを見つけたフレイジャー刑事は本能的に、戦争犯罪を明るみにしようと動き出す。彼の正義感と行動力を予測していたかのように、ポケットからは、ラッセルがすれ違った際にそっと忍ばせた一粒のダイヤが見つかる。

『殺人者の記憶法』

製作年/2017年 原作/キム・ヨンハ 監督/ウォン・シニョン 出演/ソル・ギョング、キム・ナムギル、キム・ソリョン、オ・ダルス

殺人者VS殺人者、その死闘から目が離せない!

認知症のため記憶が抜け落ちていく連続殺人犯を主人公にした衝撃作。彼の名はビョンス。獣医として娘と共に暮らしているが、かつては自らの線引きで悪とみなした者を次々と殺害する殺人者だった。しかし17年前、最後の殺人を犯したあと事故で脳に損傷を受け、それが引き金となって認知症を発症してしまう。記憶が曖昧になる中、娘からもらったボイスレコーダーだけが唯一の頼り。そんな中、街では新たな殺人事件が相次ぎ、ある日、血の滴る謎の車輌を見つけたビョンスは、乗車していた若者テジュの瞳を見た瞬間、自分と同じ殺人者であると直感する。テジュもまた然り。徐々にビョンスの彼の娘へと近づきはじめ……。

【ここからネタバレ】
テジュとの対決に備えるビョンスだったが、記憶が一向に持たず、新たな連続殺人もすべて自分の手によるものではないかと疑いはじめる。が、この時、助けとなるのがボイスレコーダー。そこには犯行を告白するテジュの声がはっきりと刻まれていた。さらわれた娘を奪還すべく、テジュの隠れ家へ乗り込む彼。格闘の末、自分の手でテジュを殺す。が、果たして本当に死んだのだろうか。謎を残したまま物語は幕を閉じる。

『エターナル・サンシャイン』

製作年/2004年 監督/ミシェル・ゴンドリー 出演/ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルスティン・ダンスト、マーク・ラファロ、イライジャ・ウッド

奇想天外な発想で”記憶の本質”に迫る!

奇才チャーリー・カウフマンの脚本を、ミシェル・ゴンドリーが鮮やかに具現化した秀作。バレンタインデーの朝、ジョエルは通勤途中、ふと衝動に駆られて逆方向の電車へ乗る。着いた先は海辺の街。そこで青髪のクレメンタインと出会い、惹かれ合い……。かと思えば、場面は二人の愛の終焉へと飛ぶ。ある日、ジョエルが話しかけてもクレメンタインは全くの他人顔。どうやら彼女は施術を受けて彼に関する記憶を消したらしい。傷心のジョエルもまた同施術を受けて彼女の記憶を消そうとするが、施術中、どうしても忘れたくない気持ちが高じて、意識が脳内記憶内をあちこち逃げ回りはじめる。

【ここからネタバレ】
施術を受けて彼女の記憶を失ったジョエル。しかし翌朝、なぜか衝動に駆られて海へ向かう(冒頭シーン)。まっさらな記憶で新たに出会った二人は、一本のカセットテープによって両者とも施術を受けた事実を知る。と同時に、かつての破局の原因に互いへの不満や苛立ちがあったことを認め合い、今度は別れではなく、共に乗り越えていくことを選ぶーーー。公開から約20年、優しく繊細なラストの余韻は今なお一向に色褪せない。

文=牛津厚信 text:Atsunobu Ushizu
Photo by AFLO

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