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ヒマラヤ便り48号 「勝利の10日目」からの「秋の満月」

ナマステ~!ドゥルガー女神の9変化を祝うナヴラトリ(9つの夜)の9つ目の夜が来た今日この頃、いかがお過ごしですか?10日目の昼には、ドゥルガープジャーの完了を示す、水牛の悪魔マヒシャースラに対するドゥルガー女神の勝利、回復、保護を記念するヴィジャヤ・ダシャミ(勝利の10日目)を迎えます。

Kullu Valley

クル・ダッシャーラ

ヒンドゥの聖典のひとつ「ラーマーヤナ」で語られるコーサラ国の王子ラーマがラークシャサ(羅刹)の王、10の頭を持つラーヴァナに打ち勝ったことを10日目の昼に祝います。ラーヴァナは、クベーラ(毘沙門天)の異母兄弟です。クル渓谷の”Kullu Dussehraクル・ダッシャーラ”は、アシュウィン月のシュクラ・パクシャのダシャミに盛大に祝われる事で有名です。

近隣各地から神をのせた山車がクルに向けて行列をなし、悪を象徴するラーヴァナ、クンバカルナ、メガナーダの彫像を燃やし、悪の破壊、善の勝利を示し、20日後のディワーリの準備を開始します。
2023年は、10月24日。2024年は、10月12日。2025年は、10月 2日。

クル渓谷の「クル」は、「居住可能な世界の終わり」を意味するKulant Peethに由来していると言われています。私のあだ名のクルちゃんは、「狂った」に由来していると言われています。「マヌの居場所」を意味するマナリという町があります。東にビーズ河とパールヴァティ川が合流するブンタール・サンガム、その川沿いにはマニカラン、南側にはインドのまーちゃんやパワンの出身地マンディがあります。

ヒンドゥ2大叙事詩

「ラーマーヤナ」と「マハーバーラタ」は、ヒンドゥの聖典であり、インドの2大叙事詩。「ラーマーヤナ」は、紀元前3世紀頃に成立した全7巻のヒンドゥ神話とラーマ王子が妻シーターを奪還する大長編叙事詩。ラーヴァナの脅威に苦しめられていた子のいないダシャラタ王が、王子の誕生を祈願し、ヴィシュヌが王子として生まれることになった。当時は、クシャトリア(王族、武人、戦士の階級)が台頭していたことが反映され、活躍する人物はすべてクシャトリア。現在のスリランカのセイロン島の説があるランカー(島の意味)に、風神ヴァーユの子ハヌマーンが渡りシーターを発見した。

「マハー バーラタ」は、バラタ族(クル族の別称)にまつわる全18巻の物語。94%がシュローカと呼ばれる8音節・4韻脚のによって構成されている。第6巻に「ヴァガヴァット・ギーター」を含みます。マハーバーラタについては、また書きます。

Kullu Valley

シャラド・プルニマ

この記事を放置している間に、シャラド・プルニマが来ました。シャラドは「秋」のことで、プルニマは「満月」のことです。日本でも秋のお月様は美しい事で有名ですが、インドでもシャラド・プルニマは、ヒンドゥで最も有名なプルニマだそうです。この日のプルニマは、16全てのカラ(芸術属性)と共に現れる年に唯一の日です。

シャラド・プルニマの日に、チャンドラ(月神)を崇拝することは非常に重要です。この日、月は16のカラ全てで輝くだけでなく、月の光線にも体と魂に栄養を与える治癒特性があります。また、シャラド・プルニマの日の月の光は蜜を滴らせると信じられており、この神聖な現象を利用するために、伝統的に、牛乳、米、砂糖で作ったKheer(キール)を準備し、一晩中月の光の下に置きます。翌朝、月明かりで活力が強化されたライスキールを家族で食べます。

ヒンドゥでは、人間の資質は特定のカラに関連付けられており、16の異なるカラの組み合わせが、その人の個性を生み出すと考えられています。16全てのカラを持って生まれてきたのは、ヴィシュヌ(毘沙天)の8番目の化身、クリシュナだけです。ラーマは、12のカラを持って生まれました。

16の全てのカラを持つクリシュナは、子として、友として、恋人として、教師として、ガイドとして、あらゆる状況において非常に純粋で完璧です。シャラド・プルニマの日にクリシュナは、神聖な愛のダンス「マハーラース」を演じました。クリシュナの神聖なフルートの音色を聞いたゴーピー達(牛飼い)は、森へと導かれクリシュナと一晩中踊ったそうです。

16のカラ(芸術属性)

 1.  ダヤー 思いやり
 2 . ダイリャ 忍耐力
 3. クシャマ 許し
 4. ニャーヤ 正義
 5. ニラペクシャ 公平性
 6. ニラーシャカタ 超然性
 7. タパシャ 瞑想と精神性
 8. アパラージェヤ 無敵
 9. ダーナシール 世界と自然に富を授ける
10. スンダリャマーヤ 美の化身
11. ニリタジュナ 最高の踊り手
12. サンギタジュナ 最高の歌い手
13. ニーティワディ 誠実さの体現
14. サティヤワディ 真実そのもの
15. サルヴァジュナータ 芸術・詩の主
16. サルヴァニャンタ すべての制御者

2023年のシャラド・プルニマは10月28日です。2024年は10月17日。2025年は10月6日。Don't miss it !

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