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がん患者の家族が思うこと

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夫のがん治療とその後のこと。家族の側から。若干愚痴まじりに。
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記事一覧

年の差婚は,年上男にとって本当に幸せなんだろうか

以前に「年の差婚は,罪つくりかもしれない」という記事を書いた。 私と先月亡くなったオット…

冴子
3年前
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病気最優先の生活から,自分の健康を優先する生活へシフト

長年,オットの好みや,オットの病状に合わせた生活が当たり前になっていた。 オットがいなく…

冴子
3年前
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なぜか美容院で涙を流しながらカットされている人になってしまった

私は長い間,今の美容院のOさんという美容師さんにカットしてもらっている。 オットも,馴染…

冴子
3年前
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遺した物にも性格が出る

オットは,半年前に退職し,そして先月に病気で亡くなってしまった。 職場から持ち帰った荷物…

冴子
3年前
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「いいひと」

私とオットは職場結婚して四半世紀。 オットは半年前に早期退職し,病気療養の後に亡くなった…

冴子
3年前
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冷えた空気に金木犀

夫が息を引き取った瞬間から,家の中の空気が変わった。 ひたひたと底冷えするような。 地下…

冴子
3年前
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たくあんポリポリかじりながら

危ない。 気を抜くとキケンなものがそこかしこに溢れている。 今日のスーパーでの買い物。 焼き立てパンコーナーに並ぶメロンパンも,ビールも,オットのエピソードを思い出し,涙腺がゆるみそうになる。 気を取り直して食パン,牛乳をかごに投げ込み,生鮮コーナーへ。 オットは好き嫌いが多かった。特に野菜。嫌いなものが食卓に並ぶと不機嫌になった。それは「え~,それ嫌いだな」「あ,ごめんね」などというかわいいレベルではなかった。だから買い物のときはオットが嫌いなものを買わないように

「嫌い」の反対は

このところ,一旦公開した記事を非公開にしたり,過去に非公開にした記事を手直しして公開した…

冴子
3年前
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明日は秋晴れの空を

部屋のレースのカーテンは閉める習慣の私だが,近頃は寝室の西側の窓だけは開け放す癖がついた…

冴子
3年前
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5日間だけ帰ってきた彼

※この記事には、がんの影響による意識障害の症状に関する記載があります。私の感情を記録した…

500
冴子
4年前
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夕暮れのガラス窓を磨く

怒涛の3日間だった。 オットはがん治療を中断し,在宅で緩和ケアに移行することになっていた…

冴子
3年前
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窓からうろこ雲をながめて

がん治療中のオットは,治療から緩和ケアに移行することになった。 つまりは,そういうことだ…

冴子
3年前
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球場をわたる風

テレビをつけたら,偶然ふるさとの高校野球地区大会決勝戦の中継だった。野球に興味はないけれ…

冴子
4年前
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私と同級生のオンライン同窓会大作戦

※この原稿は、8月23日に「いつか乾杯できる日まで」として発表した記事を、その後状況が変わったので改題・改稿したものです。 ◆ がん闘病中でひと回り年上の夫には、高校時代の仲のいい友人たちがいる。 高校時代の同じクラス。趣味や仕事は異なるが,ずっと付き合いが続いている。 あいつからは音楽を教えてもらった。あいつは遠方の大学に入ったので学生時代に遊びに行った,などといつも嬉しそうに話す。 飲み会が嫌いでいつもは一次会で帰ってくる夫も,その友人たちとの集まりではいつも深