「統治という経験 1」毎日ショートエッセー:古い羅針盤131章
十数年前に、中東に赴任した際、米国企業と日本企業の待遇の格差と更に、海外企業に対する統治や管理の熟練さに驚いたものだ。又、現地の建設工事についても仕様が2段階ほど上で、これなら巨大工事でもけが人が少ないはずと納得感もあった。貧すれば鈍す。資源が少ない日本がどう世界と渡り歩くかは、ずっと日本の施政者や経営者を悩ませてきた難問であるが、だからと言って、その場限り、あるいは感情や勘に頼っていたら、ビギナーズラックで初戦は勝利を得ても、その後、大きな負けが待っている事が多いものだ。敗戦で多くのものを喪った日本は、戦後、経済活動という銃を貨幣や商品に置き換えて、世界に冠たる資本主義国家に生まれ変わったが、昨今は周囲の軍事国家の脅威に晒されて、なし崩し的な保守的思想に傾きつつあるのは、非常に危機感を抱いている。「太平洋戦争史に学ぶ 日本人の戦い方」:藤井非三四死を読んでいる。
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