「法人という枠組み」毎日ショートエッセー:古い羅針盤130章
以前、勤めていた会社の同僚が私の法人立ち上げに関して、もう一人の人格を創るのだから。それは大変でしょうね?とコメントを呉れたことがある。確かにその通りだ。多少?二重人格の毛がある私にはうってつけの状況下にあるのかもしれない。サラリーマンという一義的な、且つ、ほぼ定年まで一直線の進路は読み易いし、唯漫然と会社から命じられたことを執行していれば、休みも適度に貰え、厚生年金や健康保険まで面倒を見てくれるのだから。だが、それも定年まで。はい、おさらばと言われた途端に、右往左往するのが通常のパターンである。それに比べると、例え一人しか居ない法人でも、影武者のような存在に感じるのは私だけではなかろうと思う。特に、法人側は元々本業と同じ機構であって、自分が社長であり、同時に役員でもあるという組織であるからだ。売上を計上し、利益を出し、必要経費を払い、役員に給与を出す。その構造には全く変わりはないからだ。
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