「マイノリテイとアイデンティティ」毎日ショートエッセー:古い羅針盤137章
今月はアイデンティティに関して、色々と考察を巡らしている。結局、人生はアイデンティティの探索と言うか、発掘と言うか、開発と言うか、社会での立ち位置を決めることなのだろう。但し、社会は常に変化し、流動的であり、多様化の波は激しいから、建てたはずの我が身の座標も、揺れ動き、あっと言う間に掻き消えてしまうから困ったものだ。多種多様という生物本来の持つ個性は、ある意味、マイノリテイの証明でもあるのだが、マジョリテイという社会の中では、押し隠しながら生き抜く事も処世術として重要である。その意味からすると、アイデンティティとは相容れない概念でもある。私はマイノリテイと主義主張する事自体、アイデンティティの証明をしているようにも取れるが、一方では浮くのを承知、浮いてもシカトされても、例え虐待を受けても耐え得る覚悟があれば大丈夫のはずだ。とは言え、人間は弱い。特にマイノリテイに属する者は確率的に周囲もそれに似た要素を含む為に、決して強大なサポート役であるマジョリテイではないことが多い。故に孤立無援でも耐えられる事が必須となるのだ。「マイノリティだと思っていたらマジョリティだった件」:松井彰彦, 塔島ひろみ他を読んでいる。
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