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詩集B(20代の頃に書いた作品群)

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社会派ミステリー小説、PHASEシリーズの著者 悠冴紀が、大学時代から20代の終わり頃にかけて書いた(今へと繋がるターニングポイントに当たる)詩作品の数々を、このマガジン内で無料… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

詩 『吐息に咲く白い花』

作:悠冴紀 大気をいたわりながら ゆっくりと 誰かと歩んだ幼い日のように 息をしてみて 見えるだろうか? そこに広がりゆく花の まばゆい白さ 雪よりも白い柔らかな花びらを 薔薇のごとくに しっとりと広げ 光散りばめながら 冬の静けさに霧散していく 永遠に似た一瞬の開花 そうだよ その花は 君の花 君の中に蘇った潤いの化身 思い出したんだね 雪よりも白いその花に 包まれながら生きるすべを 大気をいたわりながら ゆっくりと 信じた誰かを思い浮かべて 息をしてみて