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詩集B(20代の頃に書いた作品群)

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社会派ミステリー小説、PHASEシリーズの著者 悠冴紀が、大学時代から20代の終わり頃にかけて書いた(今へと繋がるターニングポイントに当たる)詩作品の数々を、このマガジン内で無料… もっと読む
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2020年7月の記事一覧

詩 『涙』

作:悠冴紀 泣いている 毎日毎日 泣いている 扉の向こう側に すべての人間を閉め出して 一人という安全に身を置くと 私は毎日欠かさず 泣いている 涙は余計な感情を洗い流す道具 考えることにさえ疲れてしまったから ただひたすら涙を流す 他人に何かを求めることが どれだけバカらしいか覚ったから 独りで泣く この人生には 邪魔なものが付着しすぎている うっとうしい感情が多すぎる だから 大粒の涙を搾り出して さっさと汚物を流し出す それでも毎日泣いている 流しても