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パタンナー的役割の大切さ

お盆恒例の集まりがあって、みんなで世間話をしていた。某会社では、8月いっぱいでベテランさんが3人も辞めてしまうらしい。そんな話から、組織というのはパタンナー的役割の人物がいて、物事を円滑に進めることができる。それをわかっていない経営者が多すぎるという話になった。


例えば、ある有名デザイナーの服を形にしたいと思ったとき、相応の材料と優秀な縫製職人を揃えればできるかといえばそうではない。デザイン画を立体に形づけるための設計者、すなわちパタンナーが不可欠だ。

デザイン画(ビジョン)を形にするのに、どういう段取りでどう進めて行くのか。調整していく中で、そう簡単にすんなりといかない場合もあるし、後々のために今の段階で変更しておいたほうがいいことなどがあったりもする。

デザイン画(ビジョン)を掲げるだけで内情を全く把握しようとしない経営者は、いくら説明してもそこがわからないし通じない。あげくに修正不可能な段階になって無茶ぶりしてきたりとタチが悪く、聞く耳も持たない。

やってられないというのが、3人が辞めてしまう主な理由らしい。


ところがこの期に及んでも、社長をはじめとする上司たちはパタンナー的存在を失うことがどういうことなのか。全くピンときていないらしい。なので、人数さえ揃えればなんとかなるだろう的な発想になる。社内外の事情や専門的なことに精通していなければできないという、肝心な部分が抜けているのだ。


結果、しわ寄せがいった優秀な人材が次々に辞めていき、さらなる地獄絵図を招くというパターン。この手の話、多いのではないだろうか。


「何にもわかっていない」というボヤキを聞きながら、ドロドロに溶けてしまった苺アイスを一気に口に流し込んだら、何とも言えない甘ったるさが口いっぱいに広がった。

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