🇺🇸米国暗号資産規制ニュース(2024年4月25日):2023年、CFTCによる暗号資産セクターへの執行が過去最大になる
2023年、商品先物取引委員会(CFTC)による執行活動は、暗号資産分野において前例のない規模と範囲で行われました。その執行数は過去最大の47件となり、総執行件数の約49%を占めます。下のグラフの通り、CFTCによる執行は毎年増加傾向にあり、規制強化が進んでいます。
CFTCの執行は、暗号資産セクターの様々な違反を対象にしており、詐欺、市場操作、登録違反が含まれます。これらの活動は、大手プラットフォーム及びその幹部なども対象にしています。CFTCが特に注目するべき訴訟案件として挙げたものは以下の通りです。
FTX及びその幹部を訴える:FTX及びその創設者であるSam Bankman-Friedをはじめに複数の幹部が、詐欺および規則違反で提訴されました。その内容には、顧客資金の不正使用を含む詐欺及び規則違反が含まれており、顧客の損失は80億ドル以上に上りました。
Binance及びその幹部を訴える:世界最大の暗号通貨取引所の一つであるBinanceとその創設者であるChangpeng Zhaoら幹部は、違法なデジタル資産デリバティブ取引所の運営で提訴されました。その訴訟内容は、登録違反、反マネーロンダリング手続き、KYC手続きの非遵守に関する違反が含まれています。
Celsius及び元CEOを訴える:Celsius及び元CEOのAlex Mashinsky は、同社のデジタル資産プラットフォームの安全性と収益性に関して事実と異なる表示をしたとして訴えられました。これは、CFTCが初めて未登録の商品プールとして運営されたデジタル資産のレンディング・プラットフォームに対する訴訟です。
最高額な民事制裁金を命じる判決: 詐欺を行った者に対して、被害者への約17億ドルの支払いと約17億ドルの民事制裁金の支払いが命じられました。これはCFTCの歴史上最高額の民事制裁金となりました。
Ooki DAOに対して勝訴:CFTCは、Ooki DAOに勝訴しました。Ooki DAOは、取引プラットフォームの運営などの違法行為で提訴されました。裁判所は、Ooki DAOが法人でない社団(unincorporated association)であり訴訟の対象をすることが可能であり、商品取引法の下で「人」と認定されるため、法的責任を負うことができると判断しました。CFTCはこの勝訴を「圧倒的な勝利」と評価しています。(補足:unincorporated associationの場合、各メンバーはその社団の他のメンバーの行為に対して責任を負い、しかも全員が無限責任を負います。CFTCが提訴したとき、DAOトークン保有者に対して法的権限を有することになると、業界で懸念が走りました。)
Digitex Futuresに対して勝訴:違法に先物取引を提供し、Digitex Futuresネイティブトークンの価格操作を試みたプラットフォームの運営者に対して勝訴しました。
Avraham Eisenbergを訴える:CFTCは、DEXであるMango Marketから不正に1億1000万円以上のデジタル資産を引き出したとして暗号資産トレーダーのEisenbergを訴えました。(補足:2024年4月18日に司法省が訴えた訴訟で有罪判決が下されました。)
DeFiプロトコルの運営者に対する訴訟と和解:違法な取引で訴えられた3つのDeFiプロトコルの運営者に対して訴訟が同時に提起され、和解が成立しました。
14のエンティティに対する訴訟:14のエンティティがCFTCに登録されていると偽っていたとして訴えられました。
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