見出し画像

父が死んだ

去年の9月、父が亡くなりました。
呪縛から解き放たれるのかと思っていたら全くそんなことはなく……。
何だか不思議な気持ちと一緒に色々と思いだしたので書き留めようと思いました。
良かったらお付き合いください。

父の昔の話はよく聞きました。
昭和20年代生まれの父はどん底貧乏だったといいます。

戦後産まれ。
八人兄弟。
小作農家。
父親(私の祖父に当たる人物)は飲んだくれ。

この状況で裕福な方が珍しいのですが、とにかく、食べる物にも困る有様で、食べられるものを子供達が探す日々を過ごしていたようです。
それでも不幸だと思っていなかったようなので、家族仲は良かったのではないでしょうか。
……もちろん、この辺りは私の想像に過ぎませんが。

学校に興味がなかったのか、父は中学を卒業していませんでした。
中退後、兄の車に乗って北海道に行くとか無茶をしていたようです。
まあでも、やっぱりそれは美しい思い出として語られていたので、それほど悪い記憶ではなかったのでしょう、多分。

なのにどーしてそーなった。

ペドフィリアだったのか、それとも他に事情があったのか。
父は幼い頃の私の身体を弄りまくる、という性癖の持ち主でした。
当時の私はそのことの意味をさっぱり知らず、そもそも父が怖かったので、好きにさせておきました。
これもまずかった。と、今では思います。

中学二年の夏。
父は私を襲おうとしました。性的な意味で。
何故かじーっと睨んだら撃退出来ました。何でやめたのかは謎です。

そもそも、本が欲しかったんですよ。私。
当時は小遣いも少なくて、ハードカバーの本を買おうとするとけっこう大変だったのですね。
で、その話をしたら本を買ってやる代わりに触らせろと。
その意味がよく判らなかったのですが、了承した私は押し倒されました。
(既に性教育を受けていたはずなのに、判らない方も悪い)

金で女を買う感じだったのでしょうか。
元々、父親が怖かったのですが、それを期に余計に恐ろしくなりました。

なのに私。
当時、事が過ぎた後、何故か菓子を作り始めました。
何か……とにかく何かしないといけない気がしたのです。

結局、出来た菓子を二人で食べる、という訳の判らない状態になりました。
今考えるともの凄くシュールです。馬鹿なのかと、私。
でも、父は黙々と菓子を食べてました。

ほどなく初潮が来ました。
実は私、初潮がかなり遅かったのです。中学二年まで来ていなくて。

それを境にしたように父は私の身体に触れなくなりました。
多分、その後は一度も触られていないと思います。
私も二人きりになるのを出来るだけ避けていたので、機会もなかったんだと思います。

それが一番の父との思い出になるとは。

今ではそれを思い出しても大丈夫ですが、フラッシュバックが酷く、あの家でまともに寝たことはなかったと思います。
眠ったら二度と目覚めない気がしていたので。

フラッシュバックの理由は他にも色々とあるのでそれは後日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?