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永遠の7月

友達との用事に遅れそうで、飛び出すように自転車を漕いだ。
日中は日差しの強い日で、30℃前後。

「これからはずっとこの調子か」

と、夏に対して期待感と嫌悪感を同時に感じた。

ところが打って変わって夜。
風が出ていた。
決して強い風ではないが、肌に当たる感触をしっかり感じることの出来るそよ風。半袖を着ていれば余裕を感じれるほど涼しい。

そして僕の鼻にほんのりとカブトムシの匂いも運んできた。

「あー。懐かしい」

あの夜もこんな気温だった気がして、また貴方を思い出す。

懐かしくなって気づきたくなかった。

「僕、貴方が居ないと生きていけません」

この生温い気温が今の僕にはちょうど良かった。
もし、少しのわがままを聞いてくれるのならば、
あっちでも一緒に懐かしくなっていて欲しい。
愛している。心の底から。


この季節が何度来ても新しくならないのだろう。
きっと永遠にあの夜に戻る。

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