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彼の祖国

職場にいるフィリピン人が僕に祖国を語ってくれた。街に死体は普通に転がっているし、様々な薬物も日本より圧倒的に安く変えてしまう故の蔓延。そんなフィリピンの中で特にマニラは危ない所だと言っていた。

マフィアが多く、ナイフで街中を歩く人々を脅し金を出せと言うらしい。

彼はその実演を僕にしてくれた。

やり方を説明した時の腹に刺す。そして脅す動作が妙にリアルで、あるはずの無い架空のナイフが身体の中に入っていくのを感じてしまった。

家族を心配してなのか、日本との対比をしてなのかは分からない。貧困の差が広がる事による故郷の現状を話す彼の目は悲しげで、目が少し潤んでいたのを見てなんとも言えない気持ちになった。

日本は平和だね。と言うのは現実逃避でしかなくて、それこそ1番残酷な解答だと思う。

必ずこの目で見に行こうと決めた。

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