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美味しいお酒で利き器。7つの酒器で呑み比べてみたら、食べたい肴が違いました。

昨年末、とてもお世話になっている方から、お店では手に入らないという貴重なお酒をいただきました。
せっかくならば、一番おいしくいただきたい!
と、いうことで、器を換えて吞み比べをしてみることに。
呑兵衛×器好きの本領発揮です。

酒器選び

さて、一口に「器」といっても色々な酒器があります。

陶器のもの、磁気のもの、ガラスのもの・・・

たっぷり入る器で、ゆったり呑むのもいい。
小さいお猪口で注ぎながら呑むのもいい。
その場合は、徳利から注ごうか、いやいや片口も捨てがたい。
いや、待てよ。
とはいえ、違いを確かめる前に出来上がったんじゃ意味がないんじゃ・・・笑

そんな楽しい堂々巡りをした結果、決めました!
今回は、お猪口部門に絞って飲み比べたいと思います!

選んだのは、この7つ。
素材の違いや口当たりの違いに重点を置いて厳選しました。

では、さっそく、呑んじゃいましょう!
※完全に自分の主観で書いています。
   「辛さを感じる度合い」は、この7つを比較して★をつけています。

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1.グラス

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こちらは、京都のギャラリーで友人へのプレゼントを選んでいたら、自分も欲しくなってしまったパターンです。笑
友人には、お揃いで買ってしまったことを白状していますが、これ、私のあるあるパターンです。
何層にもなったガラスの中に繊細な柄が浮かび上がってすごく綺麗ですよね。

辛く感じる度合い★★★★★☆☆
一緒に食べたい酒の肴:いくらの醤油漬け、太刀魚の塩焼き(カボスをキュッとしぼりたい!!大根おろしもください!!)

あっさりのやや辛口という感じ。
お酒のクセのようなものをあまり感じず、さっぱりサラサラっと喉を通り抜けます。
それでも、辛さが★5つなのは、口当たりの影響でしょうか?
外側が八角形、内側が円形になっっているので、思いの外、口当たりがふっくらぽってりしていて、優しい感覚があります。
あまりクセのない肴がいいなぁ。

2.磁器のお猪口

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この磁器のお猪口は、その薄さと持った時の窪みのしっくり感がたまらなくて、徳利とセットで買ったもの。
この細い藍の模様がいかにも和食器という感じでまたいいですよね。

辛く感じる度合い★★★★★★☆
一緒に食べたい酒の肴:くもこポン酢(もみじおろしとネギは絶対かけてほしい!)

あっさりとしていて、後味が爽やかです。
香りは強めに感じて、少し苦味のような辛みを感じます。
口当たりは、繊細で、するするっとお酒が入ってくる感じ。すごく心地いい。
なんだかまったり系の珍味が食べたくなります。

3.錫(すず)のお猪口

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こちらは、転職のお祝いに友人からもらったもの。
同じく、錫の片口がセットになっていて、これがまた、とても綺麗な曲線で。
お酒を入れると中がゆらゆらと輝いて、上品で幻想的な雰囲気が気に入っています。

辛く感じる度合い★★★★★★★
一緒に食べたい酒の肴:いかの塩辛

今回選んだ器の中で一番辛みをしっかり感じたのがこの器。
スキッとしていて、鋭い辛さが楽しめます。
手に持った時の適度な重みが心地よく、
見た目よりも肉厚に感じる口当たりがなんともしっかりしています。
何より、金属特有のひんやり感は唯一無二。
辛さと相まって、ちょっとクセの強い肴が欲しくなりました。

4.陶器のお猪口①

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こちらは、信楽で無釉焼締の酒器や花器を作ってらっしゃる作家さんの器。
信楽焼の素朴な風情は好きですが、あのボテッとした厚みが自分使いにはどうもしっくりこないなぁと思っていたところ、こちらの作家さんの器に出会いました。
この薄作りと土や灰の生み出す素朴さがなんとも粋ですよね!
釉薬を使わないのに、なんでこんなに素敵な色が出るんだろうと見るたびに思ってしまいます。

辛く感じる度合い★★★☆☆☆
一緒に食べたい酒の肴:天ぷら、豚の生姜焼き、あら煮

まろやかな飲み口に、奥の方で感じる辛みがおもしろい。
なんだかお酒の味や香りが他の器よりしっかり濃く感じるのが不思議です。
風味に強さがあるので、肴もちょっと濃いめのものや揚げ物が食べたくなりました。
いよいよお腹がすいてきます・・・

5.陶器のお猪口②

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このお猪口は、毎年信楽で開催される陶器市で買いました。
すべすべでマットな質感がたまごの殻のような雰囲気で、とても優しい器です。
飲み口の柔らかな曲線もすごく綺麗で、初めてみた時は吸い寄せられるように手に取っていました。
家で使う時も、手に取るだけでふんわり優しい気持ちになるのが気に入っています。

辛く感じる度合い★★★★☆☆☆
一緒に食べたい酒の肴:わけぎとイカのぬた和え(炙って焦したお揚げも入れたい!絶対入れる!)

割りとまろやかな飲み口ですが、少し遅れて辛みがきます。
あっさりとしていて、呑みやすいお酒といった感じ。
口当たりのマット感が思いのほか特徴的で、少しその感覚に気持ちが持っていかれます。手触りといい、少し上品な気分になって、お花見しながら外で呑みたくなりました。

6.漆器の盃

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こちらは、京都の漆器のお店で一目惚れした漆塗りの盃で、名前を「雪月花」と言います。
上から見ると、雪と桜の花模様、それに淵には細い三日月があしらわれていて、直感的に目を奪われました。綺麗ですよね!また、漆の層の間で花びらや雪が舞っているような奥行き感や、「雪月花」という言葉が持つ、自然を愛でる風情がニクいです。
そんなこんなで、自分のど真ん中を射抜かれまして、金額にドキドキしながらも即決で買ってしまった逸品です。買ってよかった。

辛く感じる度合い★★☆☆☆☆☆
一緒に食べたい酒の肴:千枚漬け

まろやかで優しい味ですが、喉ではすっきりします。
ただ、面白いのが、口を当てる場所で味が変わること!
淵にある月の幅なりに飲み口の厚みが違うのですが、薄くなるにつれスッキリした辛さが出て来て、厚くなるにつれ、まったりと感じます。私は、月の先のあたりが好みでした。
全体として、とてもあっさりと感じるので、さっぱりした酢の物とかで呑みたいなぁ。

7.ひのきの升

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もう10年ほど前でしょうか。
父のホワイトデーのプレゼントを探していて、白鹿の冷酒と升のセットを見つけて一目惚れ。升が別売りでも買えたので、自分用にも1個。
やっぱりあるあるでした。笑

辛く感じる度合い★☆☆☆☆☆☆
一緒に食べたい酒の肴:もはや、ひのきの香りが肴という感じ。お茶請けのような甘めのお漬物(大根の糖しぼりとかいいなぁ・・・)

これは、予想通り!という感じですが、お酒の角が全然なくて、とにかくまろやかになります。
ひのきの香りがすごく華やかで、それがもはや“肴”という感じなので、とにかくあっさりとしたお茶請けのようなアテでチビチビ呑みたいなぁ。
そして、大発見だったのですが、今回のラインアップにあるグラスがこの小さな升にぴったりハマることが判明!これはめちゃくちゃ嬉しい発見です。
今度から、この呑み方ができますな。。。

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今夜の器は

色々、呑み比べてみましたが、どの器もそれぞれに美味しさがあり、予想以上に合わせたい肴が違ったので、とてもおもしろかったです。楽しい発見がいっぱい!

とはいえ、今、無性に、
とにかく早く呑みたいぞー!食べたいぞー!!
と、なっておりまして、呑兵衛とは恐ろしいものです。笑

冷蔵庫の中身を察するに、今夜はまずは、4番の陶器でメインを食べて、1番のグラス×7番のひのきの升で、チビチビ楽しもうかと思います。

お酒って楽しいですね!

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