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胎児の私はお邪魔虫

あんたがお腹にいたからお兄ちゃんは抱っこしてもらえなかったのよ
かわいそうに
一番抱っこしてもらいたい時だったろうに
こんなちっちゃい時から我慢してたのよ
お兄ちゃんは2歳からお兄ちゃんやってるのよ
それに比べてあんたはいつまでも甘ちゃんで

兄と喧嘩すると決まって母はそう私に言い聞かせた

  ・お兄ちゃんは私よりたくさん我慢している
  ・私がお腹にいたせいで甘えたい時に甘えられなかった

だから今あんたが我慢しなさい

という理論だ

なんで死にたいんだろう?
なんで自分が存在しなくてもいいと思うのだろう?
なんで生きていていいのかわからないのだろう?

考えて考えてポロポロと思い出の中を手繰っていったその先に母の言葉があった

ああ、そうか
世に出る前から私はお邪魔虫だったのね

そう思ったら
小さな時から私なんていらないんだと思い続けてきた理由を見つけた気がした

いらないんだ
愛されてないんだ

些細なきっかけ
母は

覚えていない

そういうのだろうな

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