【百人一首】(淡路島/七八・源兼昌)
【解釈】
出典は「金葉集」冬・二八八。
詞書には「関路千鳥(せきじのちどり)といへることを詠める」とあります。
作者は源兼昌(みなもとのかねまさ)。12世紀初頭ごろの人です。
江戸時代には契沖が「ほどほどの歌人でしかない」とバッサリ切り捨てていたりもしますが、藤原定家は少なくともこの歌についてはとても高く評価していたようです。
個人的にはけっこう好きな歌です。
冬の海のうらさびしい、冷たい空気が閉じ込められているような気がするし、千鳥の鳴き声というのも郷愁をそそります。
ちなみに千鳥ってどんな鳥だったっけと思って画像を探そうとしたのですが、芸人さんの方ばかりヒットします。「千鳥 鳥」とかで検索しないと鳥の方は出てこないのですね。大悟さんノブさんすごい。
「須磨の関」は、摂津国と播磨国との境にあった関所。
源兼昌の時代にはすでに関所は無くなっていたようですが、源氏物語の「須磨」の巻など、須磨の関という言葉にはどこかもの寂しいイメージがあったことでしょう。
実際にこの歌は、須磨の巻で光源氏が詠んだ「友千鳥もろ声に鳴く暁はひとり寝覚の床もたのもし」という歌を踏まえたものであるとも指摘されています。
須磨の関があったのは、現在の神戸市須磨区「関守稲荷神社」のあたりだとされています。この神社には百人一首の石碑もあるようですね。行ってみたい。
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