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そわそわ、浮き足立つ3歳児

「昨日の夜、カーテンの隙間からサンタさんの影が見えたよ」

息子がそんなことを言ったのは、12月22日の朝。クリスマス気分が高まっているようで、指折りその日を心待ちにしている。

「あと何回寝たらプレゼントもらえる?」
息子の質問に、私も指折り数える。そしてクリスマスが思っていた以上に近付いていることに驚く。
師走という言葉通り、12月は矢のように過ぎ去っていく。
あっという間にクリスマスだね、と旦那と話すが、まだ3年10ヶ月しか生きていない息子にとっては、途方もなく長く感じる三日間だったに違いない。

「サンタさん本当にプレゼントくれるかなぁ」
布団の中でちょっと弱気になる息子が可愛くて、ぎゅーぎゅー抱きしめながら私は言う。
「貰えるよ、今年一年良い子だったでしょ。それに可愛いし」
すると息子は「僕、保育園お休みの日はお掃除してたよね」とすかさず良い子アピールをする。

お前さんは生きてるだけで良い子なんじゃい!と心の中で叫び(いや実際口に出して言った)、お喋りの止まない息子の手を握る。

「あ、またサンタクロースの影が見えた」と、顔を持ち上げる息子。
「何時に寝る子なのか調べに来てるかもね」
私はその頭をそっと枕に押し戻す。
「サンタさんって本当にいるの?」
え、3歳で既に疑う?この質問の答えは用意出来てないんですけど?
「もちろんいるよ。ニュースに出てるでしょ。世の中にはいろんなサンタクロースがいて、テレビに出るサンタもいれば、夜中にプレゼントを配るサンタもいるんだよ。姿は見せないけどね」
「ふぅん、そっかぁ」
しどろもどろになって意味分からんことを言う私。後で上手い説明を検索しよう。

「僕ね、ウルトラ○△※〜、ウルトラマンゼロをお願い■○?%〜」
だんだん眠くなってきたのか、回りきらない舌で、それでもまだ喋る。
「ウルトラマンゼロ貰えるといいね」
欲しいものが変わっていないことに安心し、念を押すように言った。

そわそわ、浮き足立つ3歳児。
その横で、実は密かに浮き足立っている、29歳児の私。

プレゼントを貰う側では無くなったが、枕元にプレゼントを置く側もまた楽しい。指折り数えてその日を待つ息子を、ニヤニヤしながら見守る日々が愛しい。

全世界のMr&Mrsサンタクロースも今こんな気分だろうか。
枕元にプレゼントを置くまでの時間が、それを見つけて喜ぶ子どもを見るまでの時間が、なんとも長く待ち遠しい。


〜おまけ〜

今年のクリスマス飾り

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わくわく!


ApplePencil購入資金、もしくは息子に酢だこさん太郎を買い与える資金になります。