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VRITRA HEXA元ネタ探訪〜ヴァジュラ編

絶賛稼働中のVRITRA HEXAについて、noteの次のネタは何にしよう…まだ詳細な仕様や隠し要素など、攻略要素を含むものを書くには早すぎるかな…ということで、今回はVRITRAの各種ヴァジュラ(武器)について説明させてください。そのまま武器の特性を解説しても面白くないので、「その武器の元ネタが何なのか」という切り口で書いてみたいと思います。

VRITRAには過去の偉大な名作たちのオマージュを意識的に盛り込んでいます。プレイヤーの武器もその例に漏れず、どこかで見たような武装が目白押しとなっているのですが、今回はそれらのモチーフを明らかにするとともに、それぞれのゲームに興味を持っていただいて、可能であれば遊んでもらえると嬉しいです。

どこまでがオマージュでどこからがパクリなのか、その線引は個人の主観に左右される、かなり難しい問題ではあります。うっかり炎上するんではないかとビクビクしていますが、ここではそれは一旦置いておいて、私が制作する際に意図的に引用した部分を記していきます。


ブルーヴァジュラ

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インドラに標準装備されているヴァジュラです。自機の動きに追随し、自機と同じように前方にショットを発射します。この元ネタはコナミの誰がどう見ても「グラディウスのオプション」です。2個装備していますのでおよそ初代ファミコン版。元ネタ同様、スピードを上げるとオプションの間隔が広くなり、より広範囲の敵を撃墜することが出来ます。

ブースト時は位置固定&自機と相対移動するようになるので「グラディウスVのフリーズオプション」のように使うことが出来ます。インドラのブースト攻撃はグラディウスのレーザー同様ワインダーするので、高スピードでブンブン振り回すと楽しいです。

HEXAの前作に当たる「COMPLETE EDITION」では「BLUE-S」というヴァジュラがありますが、こちらは「スネークオプション」の挙動をイメージしたものとなります。(VRITRAのゲーム性に合わせて、使い勝手はかなり異なりますが)

ちなみにVRITRAの前進は「スマホ向けに勝手移植したグラディウス」だったりします。結構良い出来だったのでこれは勿体ないと思い、ガワを変えながらオリジナルに仕上げていったのが始まりなのでした。


レッドヴァジュラ

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自機の移動方向と逆向きにショットを連射するヴァジュラです。このモチーフは「イメージファイト」の赤ポッドとなります。イメージファイトでは16方向に旋回しますが、VRITRAでは無段階です。ブースト時は砲身が固定され、超威力のショットを集中射出します。

使いこなしにかなり慣れが必要なヴァジュラではありますが、その汎用性と高い攻撃力、実はグリーンとホワイトに次ぐ防御性能で、個人的には一番扱っていて楽しい武器でもあります。というかマジ強いと思うんで使ってください

イメージファイトといえば、ステージ1〜5が仮想訓練(補習あり)、ステージ6〜8が実戦という斬新な構成/各ボスやステージギミックの多彩さなど、今遊んでも見どころが多いゲームです。個人的には縦シューなのに重力がある!というのがかなりエポックメイキングだと思っていて、リメイクや続編をいまだに熱望するタイトルです。


イエローヴァジュラ

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前方に広範囲攻撃を行うヴァジュラです。通常時は前方5方向/ブースト時は7方向に弾丸を射出し、前方からの敵を封殺します。後方からの敵機が少ないステージやキャラバンモードなど、使える場面が多い主に初心者向けの武器となっています。

この武器のモチーフは…ありません!というよりも、前方nWAYショットは大体のシューティングゲームに存在していますので、最初スマホ版で実装した際も「まあこういうのは必要っしょ」みたいな軽い気持ちだったと思います。

こういうnWAYショットで思い出すのは、「魂斗羅のスプレッドガン」「究極タイガーの青武器」「1943改の3WAY」あたりでしょうか。特に究極タイガーはM2さんによるショットトリガーズブランドでの移植が進んでいるようなので、期待しています。


グリーンヴァジュラ

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自機の周りをぐるぐると回り、敵弾を防ぐ。敵機に当てると高火力で、実は接近戦がめちゃめちゃ強いこのヴァジュラのモチーフは「ザナックの3番ウェポン」となります。ブースト時は回転しながら前方に飛んでいくのですが、これは「バイオメタルのG.A.M」に似ていますね。(指摘されて気が付きました)

ザナックはファミコンのディスクシステム版が好きで、なんといってもディスク書き換え500円でこんな面白いゲームが遊べる!というのが驚きでした。一時期ディスクA面のアイスホッケーを兄弟で遊び、B面のザナックを1人で集中して遊ぶ、そしてミカンを食べる。というのを延々繰り返していた記憶があります。


オレンジヴァジュラ

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SHOTボタンのON/OFFで射出方向が変わる、ややテクニカルなヴァジュラです。使いこなすと全方位をカバーでき、連射性能も高いのでクリアには一番の近道となるヴァジュラかもしれません。

この武器のモチーフは超技術で作られた名作「アクスレイのラウンドバルカン」となります。アクスレイでも同様、「この武器さえ使いこなせればなんとかなる」という強武器でした。

ちなみにアクスレイはラスボスのBGMが大好きなんですよね。中ボス破壊後、BGMが「ステージクリアジングル〜武器選択BGM〜それがどんどん狂っていく」という遷移になっていて、独特の雰囲気を醸し出していました。それに憧れたというのもあって、VRITRAでもラスボス突入時BGMは同じような構成にしています。(以前Twitterで指摘してくれた人がいて、本当に嬉しかった…!)


パープルヴァジュラ

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通常時は前後に射出し上下の敵をサーチするレーザー/ブースト時はヴァジュラ自体が敵機を追いかける誘導弾。これはあからさまに「R-TYPE LEOのグリーン・アロー&サイビットサイファ」ですね。威力は抑えめですが、数少ない壁貫通誘導兵器ということもあり、4Bなどの壁多めのステージで活躍するはずです。

R-TYPE LEOは既存シリーズの高難易度や複雑性は影を潜め、シューティング初心者にも遊びやすくチューニングされた、個人的にはR-TYPEシリーズで一番…いや、横シュー全体の中でも屈指の名作だと思っています。まともにコンシューマ移植がなされていないのが非常に残念ですが、HEYさんやミカドさんにも(多分)置いてあるので、興味があれば遊んでみてください。


エメラルドヴァジュラ

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広範囲に射出するリングレーザーと設置集中攻撃式のブースト。リングレーザーは威力もそこそこで貫通能力があり、見た目以上に前方の敵機を粉砕してくれます。

リングレーザーのモチーフとなったのはまたもや登場「イメージファイトのリングレーザーパーツ」です。ほんとイメージファイト大好きですね。

対してブーストの集中砲火はモチーフ特に無し。他ヴァジュラの攻撃はほぼ全て「ブースト時に攻撃範囲が広がる」要素があるのを、これだけは逆の性能にしたいという考えからです。またブーストボタン押下時のレバー方向によってヴァジュラの設置場所が変わるため、上級者にはテクニカルに運用することも可能です。

…ちなみに、他にも様々な武器を実装時にはテストしていました。

VRITRAのゲーム性として「なんとなく敵が死んでる」は極力排除し「ブーストで狙って敵を倒していく」は徹底するつもりでいたので、合わなかったものはガンガンボツにしていったのでした…。


ブラウンヴァジュラ

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さてここからはHEXAの新武器です。まずはブラウンヴァジュラ。

敵機方向に射出するショットと、ブースト時は敵をロックし集中砲火。誘導性能が高く、ブースト時は火力もそこそこあるのでVRITRAを初めてのユーザにも安定して使用できると思います。ただ敵機の数が多すぎる場合や、狙いたくない敵をロックしてしまうなど、追い詰められやすくなる場面があるので注意が必要です。

こちらモチーフは特に無く「もう1種、より初心者向けな誘導型のヴァジュラが欲しい」「ファンネルみたいなのカッコいいよね」みたいな不純な動機から生まれました。シューティングでは良くある武装だなとも思いますが、改めて見直すと「ケツイのロックショット」に似ていますね。

…ちなみに、自分は一生いわゆる「弾幕ゲー」は作らないと思います。作らないというか、作れない。ロジック的なところは分かりますが、「どうすれば面白い弾幕が出来るのか/そもそもどんな弾幕が面白いのか」が分かってないんですよね。少しずつ経験を積んで、理解していかないといけないな…と思っています。


ホワイトヴァジュラ

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前方集中の剣型のショットに、ブースト時は巨大な円輪型の設置レーザーを放ちます。剣型ショットはノーマルショットとして最強威力(黒除く)/ブーストは防御性能高め&円輪をダブルで当てれば十分な攻撃能力を持っています。

元々「白は初心者向けの剣武器」「黒は上級者向けの剣武器」にしようと考えていました。ただHEXAではブーストで敵を倒すとランクが上がってしまうため「初心者向けに、ランクが上がらないノーマルショットが強い」武器を作る必要があったのです。(ただロケテが進むうちにこのあたりのコンセプトが薄くなってしまったのが反省点ではあります…)

実装的なモチーフではないですが、見た目的には「ソニックウイングスの緋炎」をイメージしています。ゲーム自体も面白いのですが、主人公キャラが忍者で、しかも戦闘機から手裏剣やクナイを発射してる!!ってのが子供心に衝撃的だったのでした。


ブラックヴァジュラ

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ぶんぶん振り回せる超威力の剣と、ブースト時は敵機を誘導する爆雷弾を放つ上級者向けのヴァジュラです。先程のホワイトの説明通り「上級者向けの剣武器」として実装してみました。

こういう単射程武装って、シューティング武器の中でも特に調整が難しいと思うんですよね。敵弾を破壊出来たり、汎用性を持たせてしまうと強武器になり過ぎ、またそうでないと途端にクズ武器になってしまう。HEXAでは敵弾は破壊出来ませんが超威力持ち&壁貫通/ブーストは汎用的な性能を持たせ、トータル性能でバランスを取ってみました。

見た目のイメージは強いて言えば「レイディアントシルバーガンのレイディアントソード」でしょうか。レイディアントシルバーガンはストーリー展開や敵機の多彩さなど、見どころが多い…というか見どころしかないゲームで、シューティングゲームの最高峰の1つと言っても過言ではない作品です。XBOX Series Xなど最新環境でも購入し遊ぶことが出来ますので、未プレイの方はぜひ。複雑なゲームなので万人向けではないかもしれませんが、コンティニューゴリ押しで遊んでもその凄さは分かると思います。


…というわけで、全武器の元ネタ解説をしてみました。「メジャーなゲームしか無いじゃん!」「ダライアスやTFシリーズは無いのか!」「パクリばっかやん!」とか色々あるかと思いますが、ご容赦ください。全部が全部オリジナルな作品を作る能力は私には無いですし、そもそもVRITRAは私の「こういうゲームで遊びたい!」を具現化したものなのです。

そして、なぜこうしてnoteにまとめたのかについて。

私自身、渋谷系音楽にどっぷりな青春時代を送ったせいか、そもそもこういう「元ネタ探し」は大好きなんですよね。お気に入りの曲の元ネタを探るとともに、過去の音楽シーンに触れ、興味の幅を広げていく。

VRITRA HEXAで初めてシューティングに触れたという方がどれだけいるかはわかりませんが(まだ出回りも少ないですし)、遊んで気に入られた方はぜひここで紹介したゲームを遊んでみてください。きっと新たな発見につながり、よりシューティングが好きになるかと思いますよ!

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