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随筆

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ずい‐ひつ【随筆】 自己の見聞・体験・感想などを、筆に任せて自由な形式で書いた文章。随想。エッセー。
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#日記

並行世界の分岐点は今ここにある。

あれは世界中が湯気に包まれたような暑い夏の日の朝のことだった。 私は小田急線の窓際に立っ…

佐田宗義
4年前
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生きるべきか、死すべきか。私にはうまく判断がつかなかった。

駅前のマンションから高台の中古戸建に引っ越してから、何かと来客が増えた。 例えば蟻。割と…

佐田宗義
4年前
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100日後に死ぬワニを見て思い出したワニのこと。

何かと流行に疎い私は、100日後に死ぬワニが死んで初めてその存在を知った。 リツイートで流…

佐田宗義
4年前
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これが私の311。

時の流れは早い。 9年前の3月11日の昼過ぎ、私は高田馬場の地下スタジオで当時のバンドメ…

佐田宗義
4年前
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運が付いて、ツキが廻ってきた。そういうことだ。

今宵は中秋の名月。 水面を揺蕩う月の影と並んで川沿いをジョギングした。BGMは秋の虫達の鳴…

佐田宗義
4年前
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noteはじめました。

こんにちは。私の名前は佐田宗義です。 音楽や写真を仕事にしており、妻と二人の息子と暮らし…

佐田宗義
5年前
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こんな時ほど人はクールであらねばならない。 例え頭の中がオムライスでいっぱいであっても。

先日、健康診断の帰りに腹を空かせていた私は 病院を出て1軒目に見つけたレトロな喫茶店に駆け込んだ。 オムライスでも頼んでそれをコーヒーで胃に流し込もうという寸法だ。 チリンチリンと呼び鈴の鳴るドアを開けると、 カウンターには店主と思われる小柄なマダムが一人立っていた。私の母に姉が居たとしたらこのくらいの年齢だろうか。 「お好きな席へどうぞ」と店主は言った。 私は窓際の席に座り、メニューが来るのを待った。 いわゆるマン・トゥー・マンの密室空間である。 こんな時は周囲の環