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運が付いて、ツキが廻ってきた。そういうことだ。

今宵は中秋の名月。

水面を揺蕩う月の影と並んで川沿いをジョギングした。BGMは秋の虫達の鳴き声と川のせせらぎ。少し肌寒いくらいの夜風が僕の背中を押した。クールダウンを終えて帰宅し、玄関でジョギングシューズを脱ごうとすると、とある異変に気付いた。

ありていに話すと、僕はう◯ちを踏んでいた。

爪先部分をかすめたように付着していたが、匂いを発するには十分な質量だった。僕は「クソっ!クソォっ!」と心のなかで呟きながら半泣きで割と新しめのシューズを玄関先で洗った。それでも匂いは取れなかった。「それ」は次男の「それ」を素手で受け止めた時よりも遥かにワイルドな匂いだった。

思えば月に気を取られて足元を注意していなかった僕が悪かったのか。

いや、悪いのは月だ。

月に向かって何度も吠えようかと思ったが流石にそれは思い留まった。僕はもう34歳で立派な大人だからだ。この事象から一体僕は何を思えばいいのか。

「運が付いて、ツキが廻ってきた。」

そういうことだ。

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