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Day 1: ダンス・ダンス・ダンス / 7-Day Book Cover Challenge

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中高の友達からバトンをもらい、僕も7冊について書いてみる。候補をピックアップしてみたらけっこうな量になったので、基本的に小説にしぼって選んでみる。

最初の1冊は村上春樹のダンス・ダンス・ダンス。佐々木マキさんのイラストが素敵。僕の持っているのは講談社文庫のもので、奥付を見ると1997年4月に刷られている。たぶん16歳くらいのときに初めて読んだのだと思う。もうぼろぼろになっている。

村上春樹いろんな作品があるから迷ったけど、ダンス・ダンス・ダンスは多彩な登場人物が特に魅力的。五反田くん、ユキ、アメ、ディック・ノース、キキ、ユミヨシさん、メイ、文学、漁師、フライデー、羊男、など。名前からして魅力的だ。

「後悔するくらいなら君ははじめからきちんと公平に彼に接しておくべきだったんだ。少なくとも公平になろうという努力くらいはするべきだったんだ。でも君はそうしなかった。だから君には後悔する資格はない。全然ない」
ユキは目を細めて僕の顔を見た。

もちろん楽しいシーンもたくさんあって、特にハワイでユキがピナ・コラーダを飲むシーンが好きだ。

ユキは僕のピナ・コラーダを取って一口飲んだ。
「おいしい」と彼女は言った。
「動議指示」と僕は言った。「おいしいに二票」
「それもよく理解できる」と僕は言った。「そういう時、我々大人は酒を飲むんだ」

実際にハワイに行ったとき、僕もロイヤル・ハワイアン・ホテルでピナ・コラーダとマイタイを飲んだ。思ったよりもアルコールが強くて美味しかった。

遠い太鼓というエッセイで、この作品を執筆していた当時のことが書かれている。当時ローマに住んでいて、とにかく寒くてハワイに行きたくてしかたなくて、一生懸命ハワイのことを想像して書いていたとある。作家の想像力と、それを文章に落とし込む力はすごい。僕も読んでいると、いつもハワイに行きたくなる。ハワイ行きたい。

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この講談社文庫のダンス・ダンス・ダンスは、石井細明朝ニュースタイルが使われている。と、文字の楽園書いてあった。このころの講談社文庫の組み方がすごく好き。文字が小さくて、行間が広めで読みやすく感じる。

関係ないけど、村上春樹の作品のタイポグラフィ(組版)でいちばん好きなのは単行本のノルウェイの森。精興社書体が使われていて、前にちょっと書いた。


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