花火大会
今年も夏に差し掛かろうとしてる。冷静に考えた時一番嫌いな季節はこの6月から7月にかけての梅雨と暑さがミックスした季節である。
先日電車で仕事から帰る際に「インドか?」というくらいの乗車率の電車に遭遇した、確かに帰宅ラッシュの時間とはいえ僕が指でツンツンしたら弾けそうなくらい詰まっていた。すぐにTwitterで検索すると僕の家の近所で大きな花火大会があるらしい、よく見てみるとカップルや浴衣の女性もちらほらいるようだった。
ふと思ったが花火大会という言葉を聞いて全然テンションが上がらなかった。大学生くらいまでなら、特に何かが起きるわけでもないのにフラフラと花火に引き寄せられていた僕はどこにいったのだろうか。
当時であれば僕は花火大会の駅にわざわざ降り1人でぶらぶら歩いて楽しんでいたのに、、。
振り返ってみると花火大会が楽しかったわけではなくてそれに付随した何かに楽しんでいたのかもしれない。中学生の花火大会といえばお決まりの恋愛イベント、まあもちろん僕がメインではない。アシスト王として君臨していた僕は花火そっちのけで恋という恋を提供しては成就させていた。
高校時代はバイト王として君臨していた僕はバイト先のスーパーで特設の焼きそばコーナーで大量の焼きそばを売り捌いた。
大学時代はバイト王・アシスト王を兼任して焼きそばを売るわ、恋のバトルを繰り広げた旅人たちの休息地として自宅を宿にしてその日の反省会を催すという名選手から名監督へと着実に成長を遂げていった。
しかし社会人になったらほぼ隠居生活である。住居が地元から離れたという事もあるが一気に興味がなくなってしまった。むしろ花火大会が近くで開催されるという情報を聞くと近づかないようにしていたぐらいである。実に寂しい男だと自分でも思う。
別に花火が嫌いとかそういうわけではない、やはり人混みが嫌なのだろうか、いや違う、おそらく僕は元から花火には興味がなかったんだと思う。
花火に付随する「何か」に執着していてその「何か」は花火大会というイベントに発生しやすかったのだ。
元来人の為に尽くすを信条としてる僕にはもってこいのイベントだったのだろう。
だから特に「何か」が発動しない社会人から今に至るまでの花火大会はテンションがあがらなかったのだ。
そんな事を考えながら次の電車が到着した相変わらず帰宅の安堵感と花火大会の多幸感を詰めすぎた絶望の車内になっている。ギリギリ僕は乗れるかと思ったが浴衣姿のカップルが2人で乗れなさそうなので丁重に譲ってあげた。
感謝しているのか2人で乗れたことが嬉しすぎたのか無茶苦茶笑顔で僕に会釈した2人を乗せた電車は出発し、僕は3本後の乗車人数が落ち着いた電車に乗車し帰宅した。
電車に乗りながら窓を覗くと特に花火が上がっているわけでもなく、というかまだ始まってもいなかった、ただの景色を見ていた。そういえばいくつか花火大会で印象に残っている事を思い出したが、それはまた今度書き記そうと思う。
あと、1回普通に花火大会にも行ってみようかなとも思った。
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