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シグマのカメラは現代のフィルムカメラだ。

Foveonセンサーを搭載したシグマのカメラは、この世で一番フィルムカメラに近い最新のデジタルカメラだと思います。

常にISO感度100のフィルムを装填している感覚。

シグマのカメラは高感度ISOに設定するとノイズまみれになるので基本ISO100固定で撮影します。最新のデジタルカメラで考えるとISO感度100固定なんてありえない設定ですが、フィルムカメラに置き換えるとISO感度100のフィルムが常に入っていると考えるとしっくりきます。しかも、いざというときにはISO400くらいまで上げられます。フィルム交換なしに

フィルムライクなセンサー構造

シグマのカメラに搭載されているFoveonセンサーは他の一般的なセンサー"ベイヤーセンサー"と構造がなります。ベイヤーセンサーが平面上にカラーフィルターが並んでいるのに対し、FOVEONセンサーは3層構造です。ベイヤーセンサーはカラーフィルタ画素に入ってきた光を隣接するカラーフィルター画素から色を類推することで画像を作り出すため、カラーフィルターで光情報を損失したり、演算による補間が必要だったりします。一方、Foveonセンサーは縦方向に色分離をしており1画素で解像情報、カラー情報を同時に捉えて画像を作っています。1つの粒子で色と輝度を捉えるフィルムのようなイメージに近いと思います。

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世界最高のモノクロームカメラ。

シグマのカメラはモノクローム撮影で本領発揮します。ベイヤーセンサーは、カラーフィルターからの輝度情報をただモノクロに変換するだけのため、解像情報が失われモヤッとした写真になる印象があります。しかし、シグマのFoveonセンサーは1画素で輝度情報とカラー情報を捉えるので、失われるデータはなく、コントラストのあるモノクロフィルムで撮影したような、ハイライトとシャードが美しい、立体感のある表現となります。

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dp0 Quattroで撮影。立体感、ディティール感が印象的な写真になります。

シグマの山木社長曰く、"世界最高のモノクロームカメラ"なのです。しかも、カラー写真も撮れるのです!!

ノイズは粒子。

シグマのカメラのデメリットである高感度。カラー設定のまま高感度にするとノイズで色が滲んだようになってしまいます。しかし、モノクロモードに設定し、思い切って感度を1600とかに設定するとノイズをフィルム粒子のような表現として使用できます。冒頭にISO100固定と述べましたが、実際にはISO100ではノイズレスなシャキッとした描写、1600ではフィルムのようなノイズを楽しむというような使い方になります。フィルムカメラでも低感度フィルムを高ISO設定で撮影し現像時に増感することがあります。これはもう、フィルムでいう増感現像です。

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sd Quattro Hで撮影(ISO1600 ,Sigma Photo Pro)ISO100のときほどのシャープ感はないけれど、粒子感、質感が非常にいい感じに表現できてます。

まとめ

シグマのカメラはデジタルカメラの中では異質な存在ですが、現代のフィルムカメラとして捉えるとしっくりきます。sd Quattroのカタログの1ページ目にはこんな記載があります。

SIGMAの製品開発の基本思想。それは「最高の1枚」を追求できる本質性能を問い続けること。

フィルムがいい、デジタルがいいとかをいうことがありますが、シグマのカメラこそ真正面からカメラと向き合った結果の真の写真表現が可能なカメラだと思います。よいシグマライフを。


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