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WBCだけじゃない。日本がアメリカに勝るもの

さて、問題です。アメリカ:565、日本:6 ――この数字は、何でしょう?

正解は、2000年以降に破綻した銀行の数です。それぞれ、連邦預金保険公社(FDIC)預金保険機構のデータが示すもので、アメリカの数字には先日破綻したシリコンバレー銀行(SVB)とシグニチャー銀行も含まれています。

日本の銀行にもきっと、青息吐息なところは多いかもしれません。ですが、実数で見るこの違いは、かなりの驚きがありますよね。

ちなみに、日本の銀行でもっとも最近に破綻したのは、2010年の日本振興銀行。なんと13年も前のことです。

アメリカではSVBの破綻に端を発する、金融不安が続いています。それに伴い、日本でも金融不安のムードは高まっています。しかし、この数字を見る限りその深刻度は雲泥の差といえるでしょう。

なぜこうした差異が生じたのか? その理由のひとつは、企業が資金のやり取りに使う「決済用口座」の預金保護の違いにあるようです。

銀行が破綻した際、預金保険機構は決済用預金の「全額」を保護。一方、FDICは25万ドル(約3200万円)までしか保護しません

そのため、アメリカでは一旦金融不安が高まると、中小銀行における決済用口座の預金は、より安心な大手銀行へ……。それで破綻の連鎖が発生しやすくなると、テレビ東京「WBS」の滝田洋一キャスターが、27日の放映で解説していました。なるほどー。

そもそも預金保険機構は、FDICをモデルに1971年に設立されたもの。しかし、このようにしっかりローカライズされていることに、日本経済も捨てたものではないと感じますね。


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