【読書感想】ご飯を大盛にするオバチャンの店は必ず繁盛する
自宅にこもることが多くなり、もともと読書好きなわたしは、いつにも増して、本を読むことが多くなった。
今回は、とある読書会で知り合った方に「読んでみて。」と言われた「ご飯を大盛にするオバチャンの店は必ず繁盛する」という本を読んでみた。
この「読んでみて。」というのが、実はくせ者で、「お前はどこまで読み込なせるんだ?」という、わたしの読書レベルを評価してあげるよ。という意味合いも含まれる場合があるので、自分で勝手に読みたい本の感想を書くのとは、ちょっと違う論調になりがちです。
この本の著者は、島田紳助。
発売時期は2007年で新書。気軽にさらっと読める本である。
そう、現在は引退しているが漫才ブームで活躍し、その後、テレビの司会者などお茶の間でも活躍された方だ。
島田紳助が著者ということで、読んだ人も多いと思う。
読まれた方は、どんな感想を持っただろうか?
まず、この本には、2つの側面がある。
ひとつは、これといって重要なことは何も言っていない。という側面。
もうひとつは、非常に勉強になる。という側面だ。
この側面について簡単に説明すれば、今まで漠然と語られていたことを、島田紳助の経験と実践から語った本であるということ。なので、島田紳助だからできることが書かれてある。つまり、再現性が難しい。
本の内容からすると新書という特性もあり、この本にこれと言った価値はなく、島田紳助のファンや、島田紳助が過去に出したDVDや書籍に感銘を受けた人だけ読めばいい、というレベルである。
また一方で、新書という一般大衆向けのジャンルで、「どういう書き方をすれば読まれるか」、ということをよくわかっているという点で勉強になる。
特に、島田紳助独自の新しい視点。
「目新しさ」
を所々にちりばめているころがさすがである。
ものすごく乱暴に言えば、この本の評価は上記に尽きる。特徴は、これしかない。
さて、これから、より具体的に上記の点について話をしていきたいと思うのだが、まずはこの本の問題意識についてお話ししたい。
書籍には、必ずそれを書いた理由が存在する。意味もなく本を書くことなどできないし、やる気にもなれないと思う。
この本の問題意識は、
ビジネスオーナーと従業員の関係について考えてみました。
ということだと思われる。
「ビジネスオーナーになりたいが、どうやったらうまくいくの?」
ということを考え、ビジネスオーナーの成功と従業員の成功を、いろんな側面から考察を加える。ただただ、それだけの本である。
また、この本の前提を考えてみたい。
前提というのは、スタート地点のことであり、暗黙の了解としていることであり、この本の土台となるものである。
この本の前提は何か。
サイドビジネスに徹する
ことであり、
初期投資はビジネスオーナーがする
ことであり、島田紳助のような結果を出すには、
本業で成功している必要がある
という結論が導かれる。
その結論があるからこそ、
ビジネスに関わる方みんなが幸せでなければ意味がない
と言い切れるのだ。
では、著者の意図はなんだろうか。
書籍にまでして言いたかったことは何だろうか。
わたしは、こう思う。
島田紳助の「ポジショントークを深読みしろ」
ということ。
つまりは、島田紳助側からすると、島田紳助が自ら手掛けたビジネスを、あなた(読者)が自分で探して訪ねて来い(そして、そこで、お金を使え)
ということである。
実際、ビジネスをしている人は興味をそそられるだろう。
一度は島田紳助のお店に行ってみたいと思う人もいるだろう。
そこで得られた知見で、自分にビジネスに活かして、本当に成功に近づくかもしれない。
島田紳助も、読者には成功してほしいと思っているかもしれないが、まずは、自分の手がけたお店でお金を使ってほしいと思っている。
そのために、島田紳助は、この本を書いた。と、深読みをすればそうではないかという個人的な感想である。
といいつつ、読んだ中で参考になった箇所がある。
「会員制で薄利多売を可能にする逆説的成功システム」(P50)だ。
わたしのビジネスのことになるが、お客様のネットショップをコンサルしているときに感じるのは、メーカーといえども決して利益率の高い商品ばかりではないということ。薄利多売型の商品もとても多い。
そして、薄利多売で儲けるのはすごく大変だ。
継続的にコンサルを依頼いただくには、ここで出てくる逆説的成功システム的なるものを、商品・サービスにあわせて自ら考えだせるようにならないといけない。
そのためには、常に両極について考える癖をつけると同時に、島田紳助のポジショントークにのっかりお店を直接見にいかなければいけないのかもしれない。笑
世の中が落ち着いたらまじでいってみようかな。
と、読書会で伝えたら、次は、DVD「紳竜の研究」を見て。と言われました。
数年前に見たことはある気がするが内容を覚えていない。家のどこかにはあるだろうがどこにあるのだろうか。為になったという記憶はあるので、また、時間があれば見てみることにしようと思う。
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