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美しい予定不調和に翻弄

全校生徒200人以上の学校に通っている。
少人数でクラス分けされており
私の教室のクラスメイトは10人。

そのなかに、しばらく音沙汰のない仲間が2人いる。
ひとりは入学日の点呼にて打てば響く速さで返事をした。
しかしそれ以降教室に姿を見せていない。
もうひとりは点呼も含めずっと応答がない。


日々授業が進む中担任の先生とは別に
教室を見守るもう一人の先生が現れた。
会社で言ったら生徒が平社員、先生が係長、見守る先生が課長
というところか。
見守る先生が現れてすぐ授業とは別に
教室のみんなで作り上げる物語の作成が始まった。

前の人の言葉を感じて次の人が言葉を紡ぐ。
インプロのようなやりとりはクラスの連帯感を高めつつある。

次いで、今までは教室内の交流だけだった中
他の教室との交流が少しずつ始まっていった。

総じて学校そのものに関わる時間が多くなり
勉強もスピードアップを要するように。

意識と関わり方の変化の渦にいるある日、突然の変化が訪れた。
ゴールデンウィークが明けて一呼吸置いた先週
今まで応答がなかったクラスメイトが沈黙を破ったのだ。
そこから彼はとんとんとんっとテンポよく課題を提出していった。
秘めたるポテンシャルの高さに目を見張る。
なんだこれドキドキする。

変化の最中にうまれる小さな希望を味わいかけたそのとき。

打てば響く呼応の点呼をしたクラスメイトが
150キロの剛速球に声を乗せてきたのだ!!
急速発進、連投快進。
空振りする暇もないほどに次々投げ込まれる直球。
突然の展開にバットの存在すら忘れる。

この時期に揺さぶりをかける人がいたら
みんなの気持ちがリフレッシュする。
だからこのタイミングで刺客を投入して…
なんて仕組まれていたんじゃない?
と思わせるほど美しい予定不調和だ。

この学校最高だな。
毎日思うけど改めて。

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