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私を輝かせてくれた友人へ

2021年、たくさん悩み、たくさん幸せをいただき、
とても濃い一年を過ごした。

そんな中、2021年の12月25日、クリスマスの朝に、趣味で組んでいたバンドのボーカルが亡くなった。

趣味で始めたエレキベース。
社会人になってから始めて、今日で10年に突入するという歴になる。
6年前、そんなベース歴4年目のときに、彼女が誘ってくれたことで、funkやR&Bのコピーバンドを組んだ。

音楽教室で出会った数々の友人たちの中でも、彼女は一際明るく、周りの人たちを巻き込んで楽しい場を作ってくれる、とても良い影響力のある人だった。

そして洋楽が大好きだった彼女。
本当に歌が上手くて、私もひと聴きぼれしていたのだが、そんな彼女に、ぜひともあなたのベースで歌いたいと言ってもらえた。

それはもう、プロに認められたような言葉で、弾くたびに「さっこちゃんのベース大好きやわ」と言ってくれることに、ベーシストとしてたくさんの自信を私につけてくれた。

そのおかげで、私はベースの腕がどんどん上達し、ステージでもファンがついてくれるほどになった。
本当に彼女のおかげで、私はベーシストとして輝くことができていた。

バンドだけでなく、一緒にライブに連れて行ってくれたり、お茶やご飯にいって遊んだり、私のハンドメイド作家としての活動もとても応援してくれて、イベントに出展したときには愛犬を連れて遊びに来てくれた。

そんな彼女と、コロナの影響で1年半ほどできていなかったバンド活動を、一部のメンバーで再開させた。
そして久しぶりに11/23に、ステージで共に音楽を楽しんだ。

久しぶりに彼女の後ろでベースを弾いて、やっぱり彼女の後ろが一番安心できて、そしてとても楽しかった。
彼女の一番大好きなジョージ・マイケルやWam!の曲を一緒に演り、最高のライブ納めだった。

終わったあと、
「もう一度、バンドでライブをやりたい。」
とても強く思った。

そんな楽しかったライブの次の日に、彼女は大動脈解離で病院に運ばれた。
10時間におよぶ手術で無事一命をとりとめ、1ヶ月後の12/23に無事に退院し、家に帰って愛犬や家族にも会えた。

しっかり休んで、よくなってきたら、ごはんいこな、って連絡したところだった。

クリスマスの朝に、彼女は静かに自宅のベッドの中で亡くなった。

仕事の都合で、お通夜しか参列できなかったが、まるでただ寝てて、すぐ起きてきそうな彼女の姿を見た。
あまりにも普通に元気そうな顔だったので、今もまだ亡くなったことを、信じることはできてない。

コロナ渦のため参列できる人は制限されたが、とても多くの友人が参列し、会場の外まで溢れかえっていた。

彼女との思い出はたくさんありすぎて、語り尽くせない。
そしてまだ信じきれないので、彼女との思い出を振り返ることもできない。

数々の友人が、追悼の言葉をSNSにあげる中、どうしても何も書けなかった。
何も考えれず、ただただ目の前にある、大ピークで忙しかった仕事をこなして過ごす年末だった。

ただ、ハンドメイド作家としての活動があるため、2021年お世話になりましたのメッセージだけを投稿した。
追悼のことば一つも書かずに、通常の日々に戻ったとても冷たい友人として、周りの目には写っているのかもしれない。

それでも、どうしても思い出を詳しく振り返ることはできず、でもこのもどかしい思いと、この出来事を忘れたくなくて、残しておきたくて、リアルな友人たちの見ないここに書くことを決めて、今書いている。

ただ、ありがとう、といえば、完結してしまって、彼女がいなくなってしまう気がする。
でも、ありがとう、をたくさん言いたい。

私をバンドのベーシストとして選んでくれてありがとう。
輝かせてくれてありがとう。
いつも背中を押してくれてありがとう。
私の仕事も全力で応援してくれてありがとう。
大好きすぎて、何を言っても言い足りない。

まだ一緒にやろうって言ってた曲、できてないのたくさんあるよ。
ペトロールズの「雨」、やろうって言ってたやん。
もうこれからこの曲聴いたら、あなたのことしか思い出せない。
忘れないようにしてくれたんやね。
ずるいよ、まこっちゃん。

彼女と最後にしたライブの直前に、彼女が趣味で使っていた革用のアルファベットの刻印を譲ってもらった。
ちょうど私が購入を考えていたものだった。
これから頑張ってね、と背中を押された。

ここから、私の再スタートだと感じた。
本気で、作家としての仕事に向き合おう。
音楽をする人たちを支えられる、そんな革・帆布こものを作りたいと、ずっと考えてきた。
そして2022年、ずっと試行錯誤し試作し続けていたその作品を、やっと世に出すことになった。

彼女が与えてくれた、前に進むための課題なんだと思う。
さすが、落ち込んでる暇を与えないひとだ。
しっかりやるよ、ありがとう。まこっちゃん。

彼女とのこれまでの思い出の詳細は、まだまだ振り返らない。
だってきっと、まだまだ彼女との思い出は続いていくはず。

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