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2020/07/20 ほりさん

先日、久しぶりに20年来の友人、堀さんに電話をした。

堀さんは、私がロンドンで出会った友達で、会った時には既に50歳だった。母の一つ下である。ロンドンにはもちろん20代ではない日本人学生も沢山いたけど、その人たちは<会社を持っていて、自分が日本にいなくても全て上手くまわっている><滅茶苦茶稼いだのでしばらくゆっくりしたい>という感じの、一段ステップが上のお方たちが多くて、堀さんのような存在は目を見張る存在だった。

堀さんは、ごく普通の語学学校に通っているごく普通の語学学生で、日本での特筆すべきキャリアもなく、イギリスではスポーツセンターのカフェで、現地の高校生に混じって制服を着てアルバイトをしながら学んでいた。そして驚く事に、英語も下手だった。

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若いころから、アルバイトでお金を貯めて外国に住む、という事をそれこそ50過ぎても繰り返してきた、バックパッカーの夢を実現してしまった人。短期で仕事を辞めて外国に行ってしまうので、もちろんキャリアもないし、お察しだとは思うけど独身。ちょっと年上のイケメンがタイプって言っていたら、ご縁がなかった。

堀さんは、私みたいになっちゃだめだと言うし、私もずっと堀さんみたいにならないように気を付けてきた。もうすぐ70歳になる今も、堀さんは当たり前のようにアルバイトをしている。

野菜が美味しい、景色が綺麗、温泉気持ちいい、南京玉すだれを習っているよ、堀さんの近況はいつもポジティブだしいつも同じ。堀さんは反面教師だって思って来たけど、今はなんだか堀さんの生き方、暮らしに心底共感している私がいる。

ちゃんと地に足をつけて生きなさい、ちゃんと就職しなさい、そんなだと老後大変だよ

色んな事を言われている人は今も沢山いるだろうけど、ずっと自由に生きてきて、いま老後の最中の友人堀さんはとても幸せそうです。

今夏は堀さんに会いに北海道に行きたかったけど、まだまだ無理そうで残念です。

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