はとバスツアー『夜の浅草 老舗の牛鍋と笑いの殿堂』に参加してきたよ
運動会の振替休日の月曜日、さて何をしようかなー、どこかに行きたいけど楽をしたいしなぁ、バスツアーでいいのないかな。私は検索鬼に豹変し、お得でちょうど良さそうなバスツアーを検索しまくるも、平日の月曜にそんなバスツアーはないのです、そうだと思ってたよ。
落胆と幾分かの安堵の末、わずかにヒットした検索結果を見てみると、それはよく知っているのに乗ったことがないバス、はとバスのツアーだった。はとバスはちょっと高い、そう思っていたから、何の気なしに眺めていて、スクロールしていくと、何、そのいい話!
【通常の旅行代金】
大人6000円
中人6000円
子供4220円
【もっとTokyo対象者の旅行代金】
大人3500円(助成額2500円)
中人2500円(助成額3500円)
子供720円(助成額3500円)
ナニコレ!! 私達きっと、っていうか絶対対象者じゃん!
夫に連絡すると、なんでこんなに安いんだ、いいじゃねーか、土曜なら行ける、と二つ返事で参加するという。娘は肉が苦手だから、そんなに食べないことはわかっているが、もはやそれはどうでもいい。なにしろ720円なんだから。
「うち、肉はそんなに食べられないと思うよ」
乗り気ではない娘がそう呟くも、
「全然食べなくていいよ、ママとお父さんが全部食べるから」
心の中で、こりゃあいい、3人前を2人で食べられる、ぶふふふと算段する。
そして私たちは、夕刻の東京駅に腹を空かせて向かったのである。
出発は18時、東京駅丸の内南口、はとバス乗り場。
はとバスが列をなして発車を待っていて、そこにまた、人々が小さな列を成している。そうか、はとバスってこんなに沢山走っているんだ!
東京の街をバスガイドさんに説明してもらいながら走るのは、もしかすると小学校の修学旅行以来かもしれない。日本橋の変遷、馬喰町の謂れ、なるほどそうなのかと頷きながら、薄闇の中に光って浮かぶ東京は、あの頃見た憧れの都会の顔をしている。
浅草寺に着くと、ガイドさんの旗に従って目的地まで皆でゾロゾロと商店街を歩く。夕暮れの空が綺麗だ。
米久の牛鍋
何年も前、「今日はすき焼きだぞぉー」と夫が作ったものが、薄い牛肉が大きな鍋の中、おでん並みの汁気に寂しげに浮いている食べ物だったので、いつか本当のすき焼きを食べてほしいもんだ、と思っていた。
とうとう、その時がきたのだ!
店員さんの指示に従い、ガスに着火してすぐに牛脂を鍋に乗せる。浅くて小さな鍋はあっという間に熱くなるから、急いでネギと肉を入れ、割り下を注ぎ入れる。い、忙しい。私、なんか凄く忙しい。全く鍋から目が離せないではないか。「ほら、早く食べなさい」と言っている間にもグツグツと煮えたぎり、鍋の中の水分が干上がってしまうから油断ならない。隙を見て肉を口に入れる。
おいしーい!!
せっせと鍋に具を入れていたら、どうやら早々に食べ終わってしまいそう。テーブルには追加注文のメニュー表がある。
「野菜追加するか?」
夫が口走る。夫は2杯のビールを注文し(ちょっと高い)、ご飯をおかわりした。そんなに追加したら逆にお金かかるじゃん、やめてよ!と言い放ちたいところだが、隣の家族にケチな発言を聞かれるとちょっと恥ずかしいので堪えた。
それに、野菜よりも肉食べたい。私、もっと肉食べたい。
肉 2500円
気軽に行けない値段だ。ここはグッと堪えよう。
追加で注文した分は、各自でお会計を済ませるシステムだ。夫は伝票を持って1階レジに支払いに行ったが、「米は無料だったらしい」と首を傾げて戻ってきた。白米350円とメニューには載っていたけれど、どういうことだったのだろう。タダなら私もおかわりすればよかった。なにしろ、茶碗の容量を存分に使っていないだろっていう量の米だったのだ。一体お店はどういう作戦なのだろうか。
浅草演芸ホール
食事を終えると、またガイドさんに従い商店街をゾロゾロ歩き、浅草演芸ホールに向かった。夫は、面倒臭えから行きたくない、と言う。
その発言が面倒くせえよ、と言いたい所だ。そもそも私だって若干面倒臭いのだ。しかしこれも経験、初めての浅草演芸ホールを楽しみたい。
浅草寺
トリの市馬さんが終わってすぐに外に集合し、浅草寺に戻る。スカイツリーはディズニーとのコラボで、いつもより鮮やかに光っている。
浅草寺は夜も大賑わいだ。
ここで数十分の自由時間である。お店は全て閉まっている時間だけれど、何度も来たことがある浅草寺でも、夜にふらふらと歩くのは初めてのことだ。帰りはバスに乗ればいい、と言う安心感も大きい。
バスに戻ると、東京駅までの最後のガイドツアーだ。銀座を走る。東京に住んでいても、銀座は私の身近な街じゃない。美しく照らされた大通りを、高い位置から観ていると「ああ、東京だ、すごいなー」なんて思ってしまう。知らないこと、行ったことがない所ばかりだ。
東京駅に着いて解散すると、夫が
「腹へった、早く何か食いたい」
と、さっきの牛鍋を帳消しにするようなことを言った。
どうやら、少し足りなかったようだ。
私たちは、もっと肉食べたい と言う希望と願いを胸に、中央線に乗って身近な東京に戻ったのだった。
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