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【エッセイ】本に関するお小言

実家に一時避難していた蔵書が戻ってきました。

蔵書といっても段ボール箱にして12箱分。幅90cmの本棚2つに収まる量なので、本気の読書家の方からすると「なんだそんなものか」っていうくらいの量だと思います。
でも買った本が手元にないと調子が狂うところがあります。
「ああ、アレ読みたい!」とか「確かあの本に書いてあったはず!」っていう時に隔靴掻痒、すごくストレスを抱えてしまうから。
あと単純に何だか寂しいです。
家具や服はどんどん入れ替わっていくけど、本はずっとそこにあったので。

我が家のスペースの問題で、もうなるべく紙の本は買わずにKindleで揃えているのですが、本棚と違って「そのもの」がないせいか、買った本をすぐに忘れてしまいます。
たまにライブラリを開くと、「あれ?こんな本買ってたっけ?」と首をひねることもしばしばです。
何ででしょう。紙の本だと、その本に紐付いている情報(買った理由とか、誰の紹介でとか)をきちんと覚えているのですが、Kindleだとそのあたりが完全に抜けていて、まるで覚えのない書影がふわっと画面に浮かんでいることがあります(『ソシュール入門』なんて硬い本いつ買ったのだろう?)。
たぶん、もう考える前に反射的に購入しちゃってるんでしょうね。

こういう本がデータの底に沈んでいくのは忍びないので、たまに「お忘れではありませんか?」みたいな積ん読サジェスト機能が欲しい。
期間が空いているだけではなくて、既読になった本と同じ作者の積ん読をサジェストしてくれたりだとか。
まあ、未購入の新しい本をサジェストするほうがビジネス的には正解だと分かっているけど、ちょっとくらいサービスしてほしい。


ビジネスといえば、noteでも何でも書籍を紹介する時には、みんなAmazonのリンクを貼っていると思うんですが、あれは本当は版元の出版社のページを貼った方がいいですよね。
Amazonは一介の小売業者でしかないので。
紙の本だって電子書籍だってAmazon以外の本屋でも販売しているんですし、出版社のページにはその本が手に入る多数のオンライン書店のリンクが大体貼ってあります
本の紹介記事に紀伊国屋とか三省堂のリンクを貼っていたら、「どうしてその書店?」と不可解さを感じると思うんですが、Amazonだと何だかインフラみたいな気がして違和感が仕事をしない。

別にぼくはAmazon嫌いなわけではなくて、むしろ好きなのですが、公平さフェアネスの観点から気になってしまいます。
ぼくだけですかね。

何だか今日は小言ばかりになりました。ストレスでしょうか。



余談ですが、段ボール12箱を届けにきてくれた配達員さんが、ものすごく体の弱そうな初老のおじさんで……
うちはエレベーターのない3階なのですが、一箱ずつ、息も絶え絶えになりながら階段を上がってくるので、なんだか申し訳なくなって途中からぼくも一緒に運びました。
仕事だからしょうがないのかもしれないけど、さすがに気の毒だった。

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