土用ってなに?
7月19日に、夏の土用に入りました。
土用といえばうなぎを食べる日と思う方が多いのですが、
土用は暦の雑節で、年に四回あります。
土用のなりたち
四季を陰陽五行説で表すときに
春に木、夏に火、秋に金、冬に水の気を割り当て、残った「土」を各季節の末に当てはめて土用としました。
土用とは土旺用事の略で、
「土旺用事」は「土の気が旺(さかん)になり事を用うる」と読みます。
この「用」は「はたらき」という意味で、
土の気がもっとも働く期間をさしています。
※「土旺(王)」が日本に伝わってから発音がなまって「どよう」になり、「用」という漢字があてはめられて「土用」になったという説もあります。
土用期間とは
土用期間は、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間。
土用の間は土の気が強く働きます。
土の気は種が土の中から発芽することから、
大きな変化を促し、再生と破壊の象徴とされていて、
エネルギーが不安定な時期ともいえます。
土用にしてはいけないこと
この期間は土をつかさどる土公神(どくじん)という神様が支配する時期なので、
土を動かす作業(柱立て、基礎工事、修理、
壁塗り、井戸掘りなど)は凶とされています。
ただし、「間日」と呼ばれる日があり、
その間は土公神が地上を離れるので、
土を動かしても問題ありません。
また、吉方位の効果も薄れるので
旅行や引っ越しもお勧めできません。
特に、土用殺という凶方位には行かないこと。
土用の食べもの
土用と聞いて、一番気になるのが
食べものではないでしょうか。
土用の丑の日といえばうなぎが有名ですが、
各季節の土用には
陰陽五行説に基づいて
食べるとよいとされているものがあります。
春土用のお勧めは、
戌の日に「い」のつく食べ物、白い物。
具体的には、イカ、いわし、いくら、イチゴ、大根、豆腐、ごはん、お餅などがあります。
夏土用のお勧めは、
丑の日に「う」のつく食べ物、黒い物。
具体的には、うなぎ、うどん、梅干し、瓜、
牛(肉)、シジミ、黒豆、昆布など。
夏土用には、土用シジミや土用卵、土用餅を
食べる習慣があります。
土用にとれたシジミは滋養があるとされ
昔は「腹の薬」と言われていました。
卵は栄養価が高いので、土用に卵を食べて
夏バテを防ごうという意味なのでしょう。
土用餅は少し意味が違い、昔の宮中の風習が
江戸時代にあんころ餅になり、お餅は力餅、
小豆は厄除けに通じるため、土用餅を食べると、暑さに負けず無病息災で過ごせるという訳です。
秋土用のお勧めは、
辰の日に「た」のつく食べ物、青い物。
具体的には、玉ねぎ、筍、タコ、タラ、
タイ、サンマやサバなどがあります。
冬土用のお勧めは、
未の日に「ひ」のつく食べ物や赤い物。
具体的には、ヒラメ、ひじき、りんご、小豆など。
土用の期間は体調の変化が出やすいので、
昔の人たちは、体にいいものを食べて体を整え、次の季節に備えたのでしょうね。
土用の過ごし方
年に四回ある土用は季節の変わり目で
エネルギーが不安定です。
ですから、体調には気をつけてください。
移行する季節に体を慣らす必要があるので、
無理をせず、いつもより休んで、
たっぷり眠りましょう。
次の季節への準備として、衣替えや大掃除
夏には衣類などの虫干し(土用干し)をしながら
ゆっくり過ごすのがおすすめです。
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