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秋の彼岸入り

お彼岸という言葉は聞いたことがあっても、それがいつなのか知っていますか? お彼岸は春分、秋分を中日として、その前途3日の7日間になるので、
2020年の秋のお彼岸は9月19日~25日です。

お彼岸とは

彼岸はもともと仏教の言葉で、三途の川をはさんで、わたしたちが住んでいる世界を此岸、川の向こう側の仏様の世界、煩悩を脱した悟りの境地を彼岸といいます。

お彼岸は、数々の煩悩に打ち勝ち、悟りの境地に達することができるように、仏道の修行を積む期間でもあり、

布施(ふせ:施しをすること)、持戒(じかい:慎む)、
忍辱(にんにく:耐える)、精進(しょうじん:励む)、
禅定(ぜんじょう:心身を鎮める)、智慧(ちえ:学ぶ)
六波羅蜜という正しい6つの行いを実践するときとされています。

あまり知られていないかもしれませんが、
お彼岸はこの世から浄土へ近づくために修行をするときなのです。

お彼岸と春分、秋分の関係

春分、秋分の日は太陽が真東から昇り、真西に沈みます。真西は、阿弥陀如来の西方極楽浄土がある所。太陽が極楽浄土に向かう日であることから、春分、秋分を中日としてお彼岸になったといわれています。

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お彼岸にお墓参りをする理由は?

お彼岸といえば、お墓参り。お彼岸にお墓参りをする習慣がはじまったのは、江戸時代の中期以降といわれています。

お彼岸にお墓参りをする理由は諸説ありますが、主なものをご紹介します。

1. 中道思想
仏教は偏りのない中道を大切にします。わかりやすく言えば、フラットな生き方ですね。春分、秋分は、昼と夜の長さが同じなので中道の思想に合い、この日にお墓参りや法要などを行うという訳です。

2.八王日
八王日とは 立春、春分、立夏、夏至、立秋、秋分、立冬、冬至のことです。季節の変わり目であるこの日は、天地の諸神・陰陽が交代するとされ、閻魔大王をはじめ神々が世を巡回して人々の行いを記録します。そのためこの日に善行を積むと良いとされ、お墓参りに行くようになりました。

3.太陽が浄土に沈む日
前述のように、阿弥陀如来の極楽浄土は真西の日が沈むところにあります。太陽が真西に沈む春分と秋分に、浄土に生まれ変わるための善行をすることが推奨されました。

4.日本古来の先祖供養
もともと日本では、季節の変わり目に豊穣を祈るさまざまな信仰がありました。これらが融合して、お彼岸が死者を供養する日となりました。

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お彼岸のお供え

春のお彼岸には牡丹餅、秋のお彼岸にはお萩をお供えしますが、この二つは同じもので、時期によって名前が違うだけ。江戸時代にお彼岸や四十九日の忌明けに食べる風習が根付いたようです。

なぜ牡丹餅やお萩を食べるかというと、あずきの赤色には災難から身を守る厄除けの効果があるとされ、邪気祓いの意味があるからです。

お節句と同じで、日本人は節目節目で邪気を祓い、リセットしていたのです。すばらしい風習ですね。

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お彼岸とお盆の違い

お墓参りに行く、先祖供養という意味では、お彼岸とお盆は似ていますが、
ここでは違いをまとめてみました。

◆ 意味
お彼岸:仏教徒として正しく過ごしながら、ご先祖様に想いを馳せる期間。
     つまり、仏教由来の風習です。

お盆:ご先祖様が帰ってくる期間。仏教、神道を問いません。

◆ すること
お彼岸:お仏壇・仏具の掃除、彼岸会、お墓参り
お盆:精霊棚を飾る、迎え火・送り火を焚く、施餓鬼会・盂蘭盆会、お墓参り

伝統を大切に

日本には古くから行われている風習や行事がたくさんあり、すばらしいことだと常々感じています。それを大切に受け継いでいくことで、日本人として、人として、変わりゆく自然と共に、ていねいな暮らしをしていきたいものですね。





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大田亜侑『今日からはじめる幸せ習慣』
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