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『劇場版シティーハンター』を観てハートを射抜かれた


■映画を観てからこのnoteを書くに至るまで

とあるショックが大きかったので、映画の感想の前にグダグダします。読み飛ばしていただいて一切問題ないです。でも感想はネタバレだから気を付けてね!!知らないからね!

昨日は朝からアニメ『どろろ』関連のイベントをはしごしていたのですが、夜は大学の友人たちと会う約束があり、ランチ後~夕食前まで、原稿読むかなあ、でも日曜でお店がどこも騒がしいなあ、集中できないなあ、と困っていた。そしてふと思い立った。映画観よう!!

選んだのは『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』。手帳に公開日をメモしておくくらい楽しみにしていた作品です。先週まで3週連続『映画刀剣乱舞』を鑑賞していたので、少しずつ長くなる『劇場版シティーハンター』の予告編にわくわくしていた。ぶっちゃけ『映画刀剣乱舞』本編より、予告編で、冴羽獠が回し蹴りをしながら流れてくる『Get Wild』のほうが心躍った。イントロが流れてくるだけで鳥肌が立つ。そして神谷明さんの声がかっこよすぎる…!!

やっぱり新宿で観たかったけどどこも満席。池袋でチケットを取りました。舞台と違っていろんな映画館でいろんな時間からやっているし、その場でチケット取っても間に合うし、映画って…便利だ!!感動しましたね…しかも1800円。やっすい。安すぎる。

思いつきでチケットを取る前に、夜に会う約束の友人たちに「私シティーハンター観に行くことにしたんだけど一緒に行かない?」って言っても返事がなかった。残念だけど一人で観た(ただし一人映画に抵抗がないどころか一人で観るほうが多いので問題はない)。

観終わったあと興奮冷めやまず、友人たちに「ストーリーは相当荒かったけど、このスペシャル劇場版のためにスタッフが冴羽獠と香に用意してくれたラブストーリーが最高すぎてエンディングで泣いた」とLINEしておいた。

友人が予約してくれたお店がたまたま新宿歌舞伎町(TOHOシネマズ新宿のすぐ隣)だったので、今日はシティーハンターで、盛り上がりたいと、思って、いたのに、いざ席について「シティーハンター観てきたんだけどさ!」って言ったらまず「LINEに書いてあった香さん…?ていう人が恋人なの?」「冴羽獠って探偵?殺し屋?」等々、友人に言われて、えっ…ってなった。野原しんのすけって春日部に住んでるんだっけ?みたいな。えっ。

何よりショックだった一言。「俺たち世代じゃなくね?」…た、たしかに!!たしかに私たち世代ではない!平成生まれなので!でもショックだよ!!!!!私は君たちを信頼してたよ、シティーハンターくらい通ってるだろ!!!!!!

シティーハンターくらい読んでおいてよ!!!!!!!!まじかよ!!!!!私ら冴羽獠(の仮設定年齢)と同じ年なんだよ!?読んでおいてよ!!!!!!てかアニメ1回くらい観たことあるだろ!!!!アニメのエンディングの常識を変えた『Get Wild』のイントロが神ってることとか、神谷明さんの元祖「かっこいい大人の男」ボイスとか!!!!知ってるでしょ!!!!なんで話の中身しらないんだよ!!!!うそだろー!!!!!!!

TOHOシネマズ新宿の隣にいて!!!!『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』の話ができないとか!!!!!意味わからん!!!!!

ともうショックでした。「映画めっちゃよかった…!!!!!!!」っていう感想を聞いてもらえると思っていた。聞いてもらえると思ってわくわくしてたのに、聞いてもらえず一晩寝かせた感想を、ここに書きます。

■私にとってのシティーハンターはラブストーリー

シティーハンターを通ってきてない友人たちを非難してしましましたが、私もリアルタイム読者・視聴者ではなく。キャッツ・アイが好きだった姉の影響で派生で小さい頃から多少の知識はあり、中学生くらいのときにアニマックスでやってた再放送とかでしっかり見た、というような感じなんだと思います。ただやっぱり、サザエさんレベルで当たり前にみんな知ってる作品だと思ってはいた。

漫画はたぶん大学生のときにぱ~っと読みました。当時は「シティーハンターはかっこよくて好きだけど、改めて漫画で読むってなるとハードボイルドすぎるのかもな~」なんて印象だった。でも読み始めたら「えっ…これラブストーリーじゃん…」て気づいた。ラブストーリーすぎるよねシティーハンター。私はラブストーリーとして読んでました。いや…めっちゃラブいよねシティーハンター。ラブすぎてもう。

ただ、エンジェル・ハートという名前しか知らなかった作品の始まりをやんわりと聞き、なんというか、ショックというか、なんとなく、悲しくなってしまって、シティーハンターも最後まで読んでません。

こんな感じで、私も、友人たちをまったく責められないにわかです。シティーハンターへの印象は

・冴羽獠が鬼かっこいい
・冴羽獠と香のラブストーリーがラブい
・戦闘シーンがシンプルで、シンプルだからこそ超クール
・作品と主人公に曲があっている、曲の使われ方や演出が至高という意味で、Get Wildほどかっこいいアニソンは存在しない
・漫画もアニメも作画がおしゃれでファッショナブルでクールでセクシーでかっこいい

という感じです。特に冴羽獠と香の関係としては、お互いを守る・背中合わせみたいな完全なるバディではないんだけども、冴羽獠が香のことを女性としても魅力的だと思っているし、相棒としても信頼しているところが好き。それでも「守り守られ」より絶対的「守るべき存在」として扱ってくれるところが女性目線で最高に男前だよね。ああ好き。漫画では出会って最初の頃は香相手にももっこりしてるのに、次第に表面的には女扱いしなくなる、という流れがいい。自然現象ではなく冴羽獠の意識と覚悟の問題だからね、かっこいいよね。

ここまでで2300字も書いちゃったよ…。まとめると、

・さちこはシティーハンターに詳しくない
・冴羽獠と香のラブストーリーとして大好き

という2点だけ念頭に置いて読んでいただければと思います。

■映画のちょっと不満なところ:すべてが雑

さて『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』。まあもうあの、お祭り映画なのでね。とは思いつつ、それでもなあっていう細かい不満とか気になるところ。

・ストーリーが雑でテンポも悪い
上映時間あと10分長くていいから、ここで3セリフ分くらい足して感情深掘りしてほしいなあ…って何回思ったかわかりません。長年のファンへのサービスだなあ、というのはわかるもののストーリーに一切関与しないシーンも多々。

・キャラがストーリーのために動かされてる
どうにかしてストーリーをこうして、で、こういう絵を見せたいんだなあっていうのは、わかる。が、いやそんなミスしないでしょ、そんな無謀なことしないでしょ、そんな理由でこんなことやっちゃうんかい我、みたいなのたくさんありました。

・対人の戦闘シーンが少なくて、緊張感も半減
私、冴羽獠のかっこいいところって、パイソン…?ちっちゃい拳銃で的確にポイントを狙い撃つスマートさだと思うんですね。大暴れしないで「そんなピストルで?」って笑われながら倒しちゃうところが凄腕たるゆえんだと思う。ので、まあ今回もかっこいんですけど、クライマックスでメカ相手にしてるより、途中のゴールデン街でドンパチやるシーンのほうがクールだった。

・敵キャラがザコい
神谷明 vs 山寺宏一だからね、楽しみにしてたよね。敵キャラのいいところはね、声が山寺宏一であること、以上。ただこの山寺宏一が連れてる男がですね、彼は一部のオタク(♀)の性癖に相当刺さると思いますね。出てくるたびに、オタクの性癖に刺さる顔してんな~としか思えなかったです。

・海坊主がギャグ要員
武器がひと種類しか登場しないです。かっこいいっちゃかっこいいシーンもあるけど、あの図体でけっこう可愛いのね、みたいな立ち位置になっていた。

・違和感しかない挿入歌と三姉妹
しばしば唐突に主題歌たちが挿入歌として流れます。せめて歌なしじゃダメだったのか…。思い出補正があればかなり違うと思いますが、シーンに合ってなくていまいち没入できない。そしてキャッツ・アイの三姉妹が登場、嬉しいけどほぼ活躍しません。出すなら出すでもうちょっと動いてほしかったな。ただ、ルイ姉にやられた人はたぶん死んでる。

細かく言うといろいろあって、けしてクオリティが高いとは言えないなっていうのが正直な感想ですが、それを補って余りある楽しい映画でした。

■映画のすごくよかったところ:ひたすらラブい

よかったところはもうあの、冴羽獠と香のラブストーリーとしていいところを挙げますね。もうね、ラブかったの…。誰か語彙力をくれ。

・ラブに集中させるための依頼人、恋敵
ストーリーとキャラ設定が荒すぎるのが難点だなって思ってたんですが、そのぶん私はラブに集中できたのでよかったかもしれないです。ポジティブに生きたい。

通常、依頼人の美女に冴羽獠がもっこりするんですが、今回は成人済みとはいえ子供すぎたし、冴羽獠に対して「かっこいい」ってなる瞬間が0.5秒くらいしかないし、最初から冴羽獠と香の関係をおちょくる、冴羽獠にはっぱをかける。冴羽獠もさすがに大して動揺しないんだけど、ひるまずチャチャを入れてくれる。いいぞ偉いぞグッジョブだぞ!

実は香の幼馴染でしたっていう、山寺宏一の声の人も、声が山寺宏一である以外にまったく強みがない。ただね、彼ね、すごくいいのがね、よくある「主人公を出し抜くためにヒロインに言い寄るキャラ」ではないんですよ。冴羽獠ありきでなく、純粋に香に言い寄ってるの。これもまたこれで思考回路はバカだけど、ストーリーの本筋とラブ方面でごっちゃにならず、それぞれで冴羽獠を敵視しているのがよかった。君もいい仕事したぞ。

・信頼関係をより熱く見せる演出
これはたぶん意識してつくってないと思うけど、冴羽獠の登場シーン、ちゃんと香とふたりで仕事してるのがよかったですね。これが今回のテーマなんだろうなって思った。このふたりの関係にフォーカスしますよっていう。

途中、ふたりは離れてしまうのか?と思わせる演出だったのかな?って思うシーンがあって。香が他の男のところに行っちゃうかも~みたいなのは正直いまさらすぎて冴羽獠含め誰も動揺しないわけですけど…。決戦前夜、冴羽獠が長いピストルの筒を(知識なくてごめんなさい)、糸鋸?で短く切り落としているところ、後ろから香が「私、山寺宏一のところに行くわ」と声を掛けます。

私は、声を掛けられたとき冴羽獠が手を止めると思ったんだけど、彼はそのまま糸鋸を引いて銃口を切り落とすんですよね。香を振り向きもせず。

「バラバラになる」銃でふたりの距離が「離れていくこと」を示すっていうのを、ミスリード…として入れたのかな、とも思ったけど。冴羽獠が動きすら止めなかったことで、逆にふたりの信頼感が伝わってくるシーンだなって感じました。

あとはクライマックス、高層ビルの窓際でヒロインに銃を突きつける犯人 vs 主人公という、これも100万回見たシチュエーションですが、香がそれで助けられちゃうだけだと、違うんですよねシティーハンターは。冴羽獠と香のあいだには信頼しかないのでな…。お約束のところでお約束を守る男・冴羽獠のさらっと放つ一言が、さらっとしすぎてるんですけど、かっこよすぎるね。

・Get Wildまでの約束されたかっこよさ
本編は、予告編の時点でわかること以上でも以下でもない感じ。美女の依頼受ける。もっこりする。ばたばたする。ドンパチする。解決する。キザいことを言う。Get Wild流れる。というだけのことです。この型すら懐かしいし落ち着くし愛しいよね、もう。かっこいい冴羽獠からかっこいいGet Wildへ、いかにバトンを渡すかを観に行ってる感じすらある。

でさ、始まって20分くらいかなあ、冴羽獠の台詞でさらにオチの展開というか台詞までわかるんだけど、こう、「きっとこう言うだろう」って台詞があって、そこから絵が引きになって、そこで流れるGet  Wildをね、心の準備しながら60分くらい待ってるわけじゃん。本当に来るじゃん。それがね、いいよね。「よっ!待ってました!」っていうね。

ただ、わかってた台詞なのにね、私が予想した8割増しでかっこいい言葉で、あれは言うと思ったけど、それも言う!?みたいな。ああああああああ~~~~~~~~!!!!ってもうにやけ止まらなかったですね……。ときめきすぎて瞬間的に頭が沸いてしまって台詞ちゃんと覚えてない。もう1回聞きたい。自宅で見てたら頭抱えてごろごろごろごろしてました。あーーーーーーーーーー……かっこいい。

・エンドロールはスタッフからのプレゼント
ラストの台詞、めっちゃくちゃかっこよかったんだけど、そのあとのエンドロールがね、Get Wildじゃん。いやGet Wildなことはわかってるんだけど、そこでね、なんだろうあれは、アニメシリーズのエピソードを抜粋してね、流してくれたんですけど、それがもうあの、冴羽獠と香のときめきメモリアルだったので、ときめきと切なさともどかしさと、そして冴羽獠の煙草を持つ手がセクシーすぎてね、頭おかしくなるかと思いましたね。

スタッフさんたちからね、20年越しの、冴羽獠と香へのプレゼントなのかなあって思いました。このあたりは『名探偵コナン から紅の恋歌』を観たときと近しい感情かもしれない。

映画館を出たあとはGet WildではなくKinKi Kidsの『シンデレラ・クリスマス』という曲を頭の中でエンドレスリピートしました。「普段着のままの君 愛してるよ」というフレーズを香さんに贈りたい。ていうか言って!冴羽獠が自分で言って!声を大にして言って!

■まとめと質問

まとめとして、冴羽獠と香について、仕事のバディとして、人生のパートナーとして、っていう2軸それぞれの信頼関係と愛情を存分に見せてもらった作品でした。私は三角関係で焦るわちゃわちゃとか好きだけど、そこは大人の男・冴羽獠ですよね。

最近、何事においても純粋に強くて、心に決めた女性に対しても揺れ動かない系の男子、いないじゃん? 3次元では知らないけど、もう何年も恋愛漫画読んでないので、私の世界にはいない。ああいう断固たる覚悟っていうのは素敵ですよ。かっこいいですよ、もう。

あとは、シティーハンターといえばの「新宿の伝言板」。現在っぽくアレンジされてて、依頼人も「まさかね…」なんて言ってるところで、あの当時と現代がつながって、わくわくしました。XYZで始まり、XYZで終わる。最後に「XYZ」と書かれたことで、映画の「終わり」であり、また次の事件も「始まり」も意味してる。く~~~~!!!!はやくもう1回観に行きたい!!

それでね、いまYOU TUBEで公式でアニメが上がってるんですね。まじかよ…。私がすごく好きなGet Wildの入り方なエピソードが、調べてみたところどうやらアニメ3話。お酒でつらいことを忘れようとしている依頼人に冴羽獠が「俺のことを恋人だと思ってくれ」って言ってね、お酒の瓶を落とすんですよ、それがゆっくり落ちて行って割れる、飛び散る…なかで流れるGet Wildですよ、天才か。天才かよ。

あ~漫画読みたい。エンジェル・ハートのこと考えるとちょっと切なくなっちゃうけど、読みたい。アニメも見たい。皆さんのおすすめのGet Wildな入り方するエピソードは何話ですか?

※動画は1話です。


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