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オランダのかわいいギャラリーで展覧会をしています

2024年8月11日から9月7日まで、オランダでグループ展をしています。
ヨーロッパに旅行でさえ行ったことがないのに、どうしてそんなことが可能かと疑問に思われますか?
それは一も二もなく、現地に友人がいるからです!
実力とか関係なく、私の場合はそれに尽きます!
なので海外で展示をするノウハウが分かるというのではないですが、とてもいい経験だったのでぜひ読んで下さい。

ハーレムという街です(写真は駅舎・オランダで最初にできた駅のひとつ)
ギャラリー Kunstcentrum de Kolkの入り口

日本に旅行に来ていたリエッテ・ブトーさんと知り合い、長い付き合いを経て、彼女の提案で実現したグループ展です。
展覧会なんて、ギャラリーとのやり取りや郵送した作品の受け取りなど、現地の人がいないと難しいことが多いですよね。
メンバー4人の内3人が日本人。ほとんどリエッテに頼りきりになってしまいましたが、日本人のうち2人が搬入、1人が搬出に参加することになりました(土日のみの営業で、会期が1ヶ月あるため、どちらも参加するのはムリでした)。私は搬入、初のオランダ渡航です。

展示風景(壁面の絵画がリエッテ・ブトー、立体が私の作品)
展示風景・窓のある部屋(私の作品一部)
展示風景(私の作品)

ギャラリーについてはまた別に詳しく書きたいので、今回は自分が参加できた2日間(最初の土日)のことを書きたいと思います。

ギャラリーのある場所Spaarndamは、郊外の保養地のようなところです。川に面して古いきれいな家々が立ち並ぶ、小さい素敵な集落です。
ギャラリーの営業時間は12時から5時ですが、初日の土曜日は、すぐ目の前の広場でアートマーケットがあるというので11時に開けることになりました。
8月ですが、最高気温が22~26℃!
36℃の日本から来た身には!天国!
晴天でもぜんぜん暑くない!快適!
大勢の人が、アートマーケットやカフェ、または船遊びや散歩に訪れました。

ギャラリーの隣にもすてきなカフェがあり、大勢のひとが通ります
アートマーケットも賑わってました

みんなのんびり楽しそう…
イヌ連れてる人もいっぱいいるし、ひっきりなしに目の前の水路を小舟が通り、船上でコーヒーを飲んでいる人もいます。
アートマーケットをのぞき、カフェのテラス席で食事や会話を楽しむ。
このオープンでリラックスした雰囲気で、たくさんの人がギャラリーにも入ってきてくれました。

オランダはオランダ語が母国語ですが、英語はみんな普通にしゃべれてドイツ語やフランス語が話せる人も多いそうです。
しかし英会話もできない私は、接客はムリ。リエッテがフル回転でみんなの作品について話してくれていました。役立たずすぎました。
でもオランダの人って、パッと目があうととりあえず笑顔で「ハロ!」と言ってくれます。店員さんや、出会う人みんなそうです。とても気持ちがよかったです。去り際はまた「サンキュ」「ダンキュ(オランダ語のサンキュ)」とあいさつ。
あー、あいさつって、笑顔って、ほんとうにいいなあと思いました。
しゃべれないけど、オランダのひとのようにあいさつだけはしていると、気持ちがほがらかになってきます。
ちなみにハーレムには海外旅行者らしき姿はあまり見ませんでした。東洋系はほぼ見ませんでした。


日曜日はオープニングパーティー!

パーティー会場は、ギャラリーのすぐ裏にある小さい教会。かわいすぎる。


教会内部。明るくてとってもきれい!

いつも展示ごとにオープニングパーティーをされているようです。
アーティストトークや、音楽の演奏をされている様子をインスタで見ていました。
実際は想像していたよりずっとすてきでした。
なにしろ会場がきれいだし、グラスが並んでみんなワイン片手に始まるのです。そしてなにより雰囲気がとてもアットホーム。
もちろんリエッテたちの知り合いや、家族や親せきといった人々が多いので温かい雰囲気なのでしょうが、普段からギャラリーに出入りしている人、隣のカフェのマダム、通りがかった日本好き(マンガ好き)の親子などもいて、とりあえずみんな「楽しむ」というスタンスが伝わってくるんですよね。
「パーティーなの?じゃあ行くわ」という会話が前日も聞かれました。「パーティー」=「楽しい(おいしいワインとおつまみ、音楽、アートの話)」という構図ができあがっている、という感じなのかな。
堅苦しくなくてとってもいい。

日本人が来たというので、演奏は和太鼓。ギャラリー運営のヨハンナのユニットで、彼女は大張り切り。リエッテが今までの私たちの交流についてスピーチ、本来ならそのあと全員の作品についてインタビューのはずだったのですが、日本勢の語学力がなさすぎて、ほんとに一言だけにしてもらいました。
そのかわり、私は日本から用意してきた「日本の美意識について」という短いスピーチをしました。

下手な英語で話す私を温かく見守る人々

内容は、以前noteにも書いた高階秀爾さんの「日本美術を見る眼」から、自分がこれ!と思ったところや、和辻哲郎の「風土」を参考にまとめました。せいぜい7,8分(私の英語ではそれが限界)なので、ほんとにざっくりですが。でも、絵画などに見られる文化の違いって、要するに精神性の違いによるところが大きい。異国情緒を楽しむだけでなく、「余白」だとか、「儚い」を貴ぶ精神だとか、だいぶ個性的な日本の精神性が伝われば、より面白く日本人作家の作品を見てもらえるのではないかと考えたのです。
どこまで伝わったかは分かりませんが、みなさん一生懸命聞いて下さいました。
そして原稿を作っていったおかげで、協力してくださった方々へのお礼をきちんと申し上げることができてよかったと思います。その場ではすぐに言葉が出てこなかったでしょうから。準備は大事ですね。

この2日間で感じたこと。
ギャラリーに来たひとたちがみんな、アートを「楽しむ」ことが身近で、自然体だと感じられました。アーティストのひともたくさん来てくれたけれど、趣味で絵を描いたり、ものを作っている人も多くて、そういう人たちとアーティストとの垣根が低いように感じました。
日本では「私は芸術は分からなくて」と枕詞のように言う人が本当に多いです。それは今までの芸術のありかたや、教育の影響があるのでしょう。でもそれは、とてもよくないことですよね。スポーツでも、マイナー競技と言われるものは、少しでもすそ野を広げて、競技人口を増やしてそのなかから
いずれトップアスリートがでてくるのを期待しますよね。「芸術が分からない」と言われるのは寂しいです。
出会う人たちがみんな楽しそうだった2日間。私も楽しくて楽しくて、夢のような時間でした。

次はde Kolk というギャラリーの事について書こうと思います。


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