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【焼鳥屋からプログラマーを目指す四十代の物語】⑤令和元年12月ーその3

学校へ行こう

12月19日。初登校。

まずは、年間60人ほどが方向感覚を失い、構内で消息を絶つといわれている(いわれてない)、世界最大級のターミナル駅に怯えます。

宮古島は「昨日『歩いてる人』を二人も見たよ!」と話題になる土地柄です。わたしが休みの日にスーパーに行こうとバス停に向かっていると(最寄りのバス停まで徒歩25分)、ほぼ確実に翌日職場で「きのう歩いてたよね???」と話しかけられ、80%以上の確率で通りすがりの車が(職場の方、たまに知らない地元の方)拾ってくれます。

そんな幻の珍獣『歩いてる人』がこんなに!!ぎゅうぎゅうに!!

帰り道が分からなくならないように、曲がり角ごとに写真を撮りながら進みます。

現代版ヘンゼルとグレーテル。(一人だけどな。)


クラスメイトは12名でした。おおよそ20代30代とお見受けしました。やっぱりわたしが最年長でしょうか、ね…??

席と出席番号が決められていて、わたしは一番最後でした。

あぁ、やはり合格順位が最下位だったのか…と思いましたが、のちにこれは「あいうえお順」であることが判明します。冷静に考えれば、こんなにコンプライアンスに厳しい世の中で、成績順に点呼取ることはまぁないでしょう。

実は気にしぃなわたくしです。

出席番号順に当番制で日直が任命され、朝礼と終礼を行います。講義内容やテキストの確認、個人の努力目標の発表など。あと日報の記入。

そして自己紹介タイム。

先生のアイディアで、となりの方とペアになって、お互いにインタビューし、相互に相手のことを皆に紹介する、というシステムでした。

わたしのおとなりさんは、大学出たて、という、絵に描いたような秀才という感じの物静かな男性でした。

会話のついでに、「面接で聞かれた質問、ぜんぶ分からなかったんですよね~アハハ」と言いましたら、彼はやや驚いた面持ちで、「どうぞ、困ったときは、何でも聞いてくださいね」と言ってくださいました。

なんてジェントルな方でしょう。(社交辞令という可能性は一切否定します。)

このとき彼(イーブイさん・仮名)は、待ち受ける運命の波など知るべくもなかったのです…

今後、ことあるごとに「イーブイせんせぇ…」と小声で呼びかけられ、教えを乞われることにより、育成能力が飛躍的に向上し、なんなら聞かれる前にわたしの様子をうかがって先に教えといたほうが話が早いと気づきマネジメント能力が開花し、ぎっくり腰で呻いていれば励まし、タピオカにむせていれば心配するというヒューマンスキルを発揮するという…プログラミングスキルと並行して、理想の上司に必要な能力案件をも会得してしまうことになるのでした。

お手数おかけしてすみません。本当にありがとうございます。


「VDT(visual display terminals)作業における安全衛生」(PCを使って仕事するときは定期的に休憩をとったり軽い運動をして疲労を軽減しましょうね、などのガイドライン)を学んで、第一日目の授業は終わりです。


続きます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。








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