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小説家 VS. AI

文藝春秋2024年3月号
芥川賞受賞作 全文掲載号
九段理恵氏の 東京都同情棟
受賞作の一部を 
AIに書かせたという
作者の発言が話題になった

芥川賞の選評と作品全文掲載のまえに
AIは脅威かそれとも恩恵か、という
小川哲氏による 生成AI(による小説)論

正直言って
生成AIが書いた文章(小説)と
人間が書いた文章を
必ず見分けるという自信はない
もしかしたら作品によっては
生成AIが生成した小説のほうを
面白いと思うかもしれない
でも


僕たち人間が、単なる「言語の組み合わせ」に
価値を見出しているとは思えない。
少なくとも、僕はそう考えている。
「本を読む」という体験は、
本の「外側」にある物語も含めて楽しむものだからだ。
中略
僕たちは一冊の本の「中身」と、その「外側」にある
自分の人生を交差させながら、本の価値を決めている。
もっというと、「中身」と「外側」を区別することなく、
総合的な一つの「物語」として本を受容している。
それはきっと本だけでなく、音楽や絵画や漫画も同じだろう。
中略
僕たちは「言語の組み合わせ」だけに対価を支払ってわけではなくて、
その「言語の組み合わせ」を苦労の末に生み出した作者と、
その奇跡にもお金を払っているのではないか。・
感動した小説が、何らかの苦労の上で生み出されたのだのだという、
「外側」の物語にも価値を見出しているのではないか。






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