野田知佑氏「のんびり行こうぜ」との出会い
皆さんはカヌーイストという言葉をご存知だろうか?
カヤッカーとも言われている。
ざっくり言うと、カヌーをする人のことだ。
野田知佑さんはいわゆるカヌーイストだ。
作家でもある。
私は20代半ばにこの本と出会った。
友達が家の本の整理をしていて、大量に本を送り付けてきた。
その中にこの本は入っていた。
この本をざっくり説明すると、「千葉県にある亀山湖の近くの集落の古民家に住んでいるカヌー好きなおじさん」(野田さん、ごめなさい)の本だ。
アウトドアに興味が無い人ならその程度の感想で終わるのかもしれない。
しかし私は
「カヌーやりたい!」
「家の中にテント張ってる!すげー!」
「ユーコン川は無理だけど、釧路川なら行けるな(真剣)」
と、すぐにこの本に夢中になった。
元々田舎暮らしに興味があるもんだから、真剣度が違う。
最後には「野田さん、かっこいい(目がキラキラ)」までなっていた。
この当時、理想の男性が野田知佑さんだったのだ。
この本は単にカヌーしてのんびり過ごしているエッセイではない。
カヌーを通じて環境破壊についても語られている。
しかしそれもまた、野田さん流の語り口調なので、非常に受け入れやすい。
わざわざ北海道までカヌー旅行に行って、上流で川を堰き止める工事を見てがっかりしたりとかいう感じだ。
うんちくは言わないのだ。
「あーあ、この川はもう死んだな」
河川工事は実際には下流が氾濫するのを食い止める役目があったりするから、下流の町にはなくてはならない。
しかし、この野田さんはカヌー出来なくなっちゃった目線で語るのだ。
それまで河川工事に興味がなくても、読みながら真剣に「大変だ、野田さんが哀しんでる。何とかならないのか?」って思ってしまう。
自然で遊ぶってことは、自然を大事にするということ
この本で私が学んだのは結局そこだった。
のちにアウトドアを始める時、自然の中で過ごせることが幸せで、この自然がこの先も無くならなければいいなと思った。
どうしても暮らす上で必要で自然を壊すこともあるのだろう。
キャンプ場を作るのだって、見方を変えると自然破壊だ。
なので、なるべくそれ以上環境が悪くならない様に遊ばせてもらう。
私は常にそう思ってキャンプをしている。
野田さん、それでいいですか?
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