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業務のコア・ノンコア


近年、企業や組織では業務の効率化を図るために、業務のコアとノンコアを分ける考え方が注目されています。

ここでは、当事務所が業務をコアとノンコアに分けるに至った過程と、それにより得たメリットについて述べていきます。

具体的には、コア業務の集中による効率化や専門性の向上、ノンコア業務の職人域の達成など、改善されたもの、一方で業務の分散による管理の複雑化やアウトソーシングに伴うリスクなど、デメリットも念頭に入れながら述べていきます。

業務の効率化を考える上で、コアノンコア分けは重要な要素となるため、関心のある方に一読いただければ幸いです。

1. コアとノンコアの違いとは?

コア業務→非定型業務が多くを占めることから、専門的な技術や高度な知識、的確な判断力などが求められ、業務領域が属人的なのが特徴です。非定型業務が多くを占めることから、専門的な技術や高度な知識、的確な判断力などが求められ、業務領域が属人的なのが特徴


ノンコア業務→それ自体が利益に直結するわけではない補助的な業務全般を意味する概念で、「副業務」とも呼ばれます。コア業務とは対照的にルーティンワークが多く、比較的標準化しやすい点が特徴

(persolのhmリンクより抜粋)

2. 分けることのメリットデメリット

ここからは当事務所に置き換えて述べていきます。

先ず業務の流れを説明します。

業務を受任したときは、必ず資格者たる所長が依頼者と面談し、状況等を聴取し、受任内容を定めます。そして、その後各々のスタッフが完遂していきます。

ここで定型的な申請内容であればスムーズに進められますが、イレギュラーなケースでは前例を調べ、書籍を読み込み調査し、長に懸念事項を報告し、細かに確認打合せが必要になります。

その事例が多いのが、「相続登記・相続税申告」です。

スタッフの特性に合わせ、業務を振り分けていきますが、その際に相続人の調査は外せません。
相続人調査においては、今年の戸籍法改正より、一般人の戸籍取得は多少簡便化されたものの、資格者が戸籍取得する場合の取得方法は従来と変わらず、とても手間がかかります。
さらに、有り難いことに、今般の相続登記義務化により、登記依頼、併せて相続税申告依頼も激増しました。
依頼を受けても、調査に時間を割くことが難しくなってきたため、新たな人材を求めることにしたのです。その人材採用の前段階で導入したのが「相続」業務の区分け(コア、ノンコア)です。

人材の確保、そして業務のアウトソーシングをすることで、効率化を目指します。

3. 具体的には?

相続人調査と分割協議書作成とを大別しました。

先述したように相続人調査はとても時間がかかります。
親から子への相続であっても家庭事情により調査範囲は全国に広がります。何代前からの数次相続となれば相続人は10人超となります。一つの戸籍から一度に請求し、時間短縮を図りたくとも、一つの戸籍に記載されている情報に限りがあります。一つの戸籍を請求し、その届いた戸籍を読み解き、次の相続人の存在を確認し、追調査しとなります。
すべての相続人が判明した後は、登記申請後の相続税申告も見据え、法定相続情報交付申出書をその案件毎に管轄の法務局に提出しなければなりません。
この作業を相続人調査、ここではノンコア業務とします。
新たな人材は、この業務に徹してもらいます。

次はコア業務です。
先述のノンコア業務を進める一方で、依頼者と細部を打合せを進め、長が定めた分割内容をに沿うように協議書を作成し、申請に至るまでの依頼者への報告及び費用並びに申告に要する書類収集、現地調査及び将来の税金等々を決定していく作業をコア業務とします。
長との確認検討時間も要するため、ここは事務所の職員が務めます。

4. メリット・デメリット

メリットとして、まず、ミスが少なくなりました。相続人調査と協議書申告書作成と大別したことで、各々の業務に携わる時間が確保でき、よってケアレスミスが減少しました。
それぞれの業務に求められる知識につき深掘りし知見を広げる時間も確保でき、完成度の高い内容を依頼者に届けれるようになったとおもいます。

また、専念できる体制ということは、時間も短縮出来ます。調査する内容が類似していれば自ずと構える時間が短くなるのは無論でしょう。

5.これから

大別することで、質の高い書類作成及び業務時間の短縮が叶いました。
反面、全体の掌握が課題となりました。

1件を1人でこなせば、過程の把握
は容易です。
しかし、業務を分ければ、優先順位や進め方も個人の任意なり、期日管理が困難となります。

「各人の業務経過を一つに集約し、長が管理指示していく。」、この方法を如何にするかが課題となりました。


求めるかたちは、
1 入力が簡単
2 受任案件の経過が一目瞭然 
(案件プロジェクト毎に開けば分かる業務アプリは在るが、当事務所にはそぐわないようにおもえる。ただ、使いこなす術を知らないのかも。)


現在は、DropBoxを使い、エクセル表を用いて各人が経過を入力し、共通認識できる体制をとっています。
しかし、えいっと、始めたばかりで記載方法にばらつきがあり、検討すべき問題は残ります。

 どの手立てが良いのかも含め(アプリ活用も視野におき)模索しているところです。

6.最後に

課題はあるものの、掲題のとおり、「業務のコアノンコア」と、大別したことは、事務所にとって益在る施策となり、依頼者にとっても、負担を少なくし、かつ将来を見込んだ質の高い提案をできるようになったと考えています。

今回、ノンコア業務に新たに2名を採用しました。継続学習が必要となる成果に向けて働く様をみて、「組織は人なり」「人材こそ最大の財産」だと再認識しました。


「給料をもらって働く」のか、「働いて給料をもらう」のか。


「働いて堂々と給料をもらう」に策した今回のコアノンコア業務の区分けは、課題も残り道半ばなれど、今後も目的意識をもって体系的に、かつ焦点を絞って発展していきたいと願っています。了
                   



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