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岸田繁の歌詞観

椎名林檎を聴いても良いと感じなくなってしまった。太陽が沈んでしまった。「目に汗が入ってしまった 心に隙ができちまった 忘れたこと思いだせるかな」みたいな感じのくるりの歌詞があったはず。「心配性のビーナスも ネクラが自慢の少年も 最後はみんな見つめ合い恋をする」これはさっきと同じ曲の歌詞。ネクラが自慢の少年って表現が鋭い。ネクラなだけの少年とネクラが自慢の少年の間には大きな差がある。自らの欠陥を個性として自慢できない人がほとんどだ。ネクラが自慢の少年はネクラなだけの少年より少しかっこよく、かなり誇らしく感じる。岸田繁の歌詞に登場する男は岸田繁自身をモチーフにしていることが多い。アルバム「NIKKI」は他のアルバムに比べ恋人やロックンロールに対しての、ズボラでネクラな男の想いが色濃く表現されている。時系列で見て「アンテナ」と「ワルツを踊れ」この大名盤2つに挟まれている「NIKKI」は、言葉を選ばず言うと地味。しかし地味な曲こそ岸田繁の深層心理が鮮明に反映される。岸田繁は静かな曲でしか本当の気持ちを言わない。というようなことを考えた。新しくいい思える音楽がある。同じ音楽ばかり聴くと新しい発見がある。

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