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「寄付のお願いをしてくれてありがとう」と言われたこと。

わたしは「寄付してください」ってお願いするのが仕事だ。

でも、この仕事に就いたばかりのころは「寄付をもらう」というのはこっちが受け取るばっかりだと思ってた。嬉しいのはこっちだけだと。「先方の善意をただただ受け取る」ということだと思っていた。

5年前の冬のこと、ある友人に寄付のお願いをしたら快くオーケーして、すぐに手続きをしてくれた。続けて彼女からのLINEにこう書いてあった。

「うれしい。ありがとう。んー、いやー、ほんとうれしい!」

その書きぶりに笑ってしまって、「こっちがありがとうだよ」と返したら、「いや、そうかもしれないけどさ。」と前置きしたあと、彼女は長い時間をかけてからこう返信した。

「くそ真面目なこと言うとね。わたしは高校時代に感じてた虚しさとか絶望感を昇華する機会がないまま、26歳になっちゃった。それに、中学の時不登校になった友達を知ってるけどなんにもできなかった。彼はどうしてるんだろう。気休めだし、自己満の偽善かもしれないけど、佐知のところに寄付できるのはうれしい。ちゃんと言ってくれてありがとうね。わたしの悲しみに行く先をつくってくれてありがとう。」

わたしが働くD×P(ディーピー)というNPOは、高校生や若者をサポートする団体で、関わる高校生には不登校を経験した生徒も多い。だから彼女は、そんなふうに自分の話をしてくれた。寄付のお願いをして「ありがとう」と言われるなんて想像もしてなかったわたしは面食らった。

そして、その言葉を繰り返し眺めた。

寄付は単なる物乞いだろうか。そうかもしれない。でも、寄付をした側が受け取ってるものがあるのかもしれない。商品を売ってそのお代をもらう行為のように、受け取る側も寄付する側も対等なのかもしれない。それならわたしは、ペコペコするんじゃなくて、もっと自信を持とう。もっと高校現場を見に行こう。「あなたの悲しみや偽善にこんな行き先をつくりましたー!」と、活動報告メールをおくって活動報告書をつくって知らせて、共に笑おう。

拡大解釈かもしれないけど、わたしはその出来事からそう思うようになった。

いまでも彼女は毎年の活動報告書を送るとLINEをくれる。「わたしの偽善を今年もいい感じにしてくれましたなぁ」とシニカルなスタンプとともに笑う。

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入谷佐知 さっちん

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わたしもスキです!
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D×P(ディーピー)というNPOでPRと資金調達を楽しくやってます入谷佐知です。noteではエモい系・組織と家族のあり方系・PR広報マーケティング系の3つの記事が混在しております。